進撃の代表の佐藤です。

 

MMT(現代貨幣理論)の大家ステファニー・ケルトン教授の来日により、日本に財源問題など無いことが衆目に晒されこれから様々な議論が発展していくことになります。

で書いたように、MMTは全てを解決するものではなく、MMTという武器を使っていかに国民の目を覚まし一段も二段もギアを上げた知が広がることで日本が豊かになる道筋を探ることが必要なのだと思います。

しかし、ずいぶんと良いタイミングと言いますか、あまりにも出来すぎていると感じてしまいましたので、佐藤の妄想を披露したいと思います。

人類は壁の中で惰眠を貪っていた

進撃の巨人、ご存知でしょうか?
やはり全てをお話すると問題があるので、Wikipediaから引用させて頂きます。

「人類は突如出現した「巨人」により滅亡の淵に立たされた。生き残った人類は、「ウォール・マリア」、「ウォール・ローゼ」、「ウォール・シーナ」という巨大な三重の城壁の内側に生活圏を確保することで、辛うじてその命脈を保っていた。」Wikipedia-進撃の巨人(https://ja.wikipedia.org/wiki/進撃の巨人)より抜粋

人類は巨人の驚異から逃れるために大きな壁を建てその内側で細々と暮らしていましたが、物語のはじめに突如として現れた大型巨人により一番外側の壁が破られて全人類の生活圏はウォール・ローゼまで後退せざるを得なくなります。

この作品、現実の歴史や政治などを知っていると結構ニヤリとできる作品となっています。特に序盤に関しては、これは日本の現状のことだな、と感じます。
しかし、物語が進むにつれてやはりより広い範囲の話だということが徐々に明らかになってきますし、様々な伏線が仕込まれていますので最終話まで目が離せません。
もう既にエンディングのネームは上がっているそうで、連載はまさにクライマックスといったところでしょうか。

さて、実は我々日本人も壁の中で暮らしていることをご存知でしょうか?
進撃の巨人のように目に見える形での壁はありませんが、地理的・イデオロギー的な観点から仮想的な壁を政治的に建ててその内側でギリギリのバランスを保ちながら現在の暮らしを続けています。

もうすでにウォール・マリアは破られている

朝鮮戦争、ご存知でしょうか。
第二次大戦時、日本の敗戦がほぼ決まりポツダム宣言を受け入れるかといった際に、当時日本の領地だった朝鮮半島を米国とソ連が38度線を堺に南北に分割統治することとなりました。

そもそも、日本が独国と同盟を結んだ理由がソ連の共産主義を封じるためで、それを理解している人たちにとっては赤の南下を抑える最前線が満州・朝鮮半島=ウォール・マリアでした。
しかし、コミンテルンの謀略によりいつの間にか枢軸国vs連合国という構図に変容し、日本は五族協和・八紘一宇・大東亜共栄圏、と反共とはもはやかけ離れた旗を振りはじめ、本来イデオロギーとして敵ではないはずの自由資本体制側との総力戦に突入していきます。

戦争末期においてはソ連をあてにして連合国との和解を探るなど、もう支離滅裂。コミンテルンはほくそ笑んでいたことでしょう。

そして日本敗戦の後、支那(当時はまだ中国ではない)大陸ではソ連の支援を受けていた毛沢東主席率いる中国共産党が国共内戦に勝利し中華人民共和国(ここで地球史上はじめて「中国」誕生)を樹立、赤化しました。
大陸は満州というシガンシナ区とウォール・マリアを破られ、共産主義という巨人に蹂躙される土地になったのでした。

手薄となった防共の壁をまんまとかすめ盗られ、米国西側諸国の共産主義への脇の甘さが明るみに出た。朝鮮戦争のはじまりです。

GHQの政策により日本の軍部はすでに解体され、本来の憲法大日本帝国憲法を封ずるGHQ法日本国憲法=ウォール教を制定、9条により再軍備を封じられましたが、赤の南下が現実化した朝鮮動乱に慌てた米国は日本に再軍備を要請します。
当時の吉田全権はGHQ法日本国憲法=ウォール教と安保を盾にそれを拒否、警察予備隊(現自衛隊)という軍隊ではない実行部隊という無理筋を通すのでした。

西側は、一時は朝鮮半島の9割を共産圏に取られましたが、なんとか38度線まで押し戻しました。

その後赤の南下はベトナム戦争へと続きますが話が拡大しすぎてしまうので割愛します。

反共のウォール・ローゼ

その後世界は米ソ冷戦時代に突入します。
すでに大陸=ウォール・マリアは陥落しておりますので、米国から見た太平洋側の防共最前線は日本列島に後退しました。
日本列島をウォール・ローゼ、側防塔のトロスト区は朝鮮半島38度線。

この壁を突破されてしまえば太平洋は一気に共産の赤い海へと変貌し、ハワイが側防塔、米国本土西海岸線が最終ラインのウォール・シーナとなります。
米国としてはこれをなんとか避けたい。

そこで米国は固定相場をはじめとする優遇措置で日本列島強化を図ります。
日本は、成功した社会主義国とも言われるほど、大きな政府による主導で多くのインフラを整備し内需型市場を構築していきます。
米国の庇護のもと世界第2位の経済大国になった日本。しかしその防共最前線としての価値はソ連崩壊によってあえなく暴落します。
「Japan as No.1」が邪魔となった米国は、日本的社会主義を廃するように米国の意図に呼応する新自由主義的政治家により規制緩和・消費税増税など、緊縮財政を強烈に推し進められズルズルと凋落していきます。
その裏で大陸の赤は日本的社会主義の高度経済成長を研究、敵国西側の武器「市場経済」をハッキングし、独裁統制財政とドッキングさせるというイデオロギークラッキングを行うことで猛烈な勢いで経済成長。日本を追い越し世界第2位となりました。

ここではたと気づく米国。
しばらく忘れていた防共戦線の負担の大きさと、それに対応するだけの備えの薄さ。
気づけば南朝鮮の大統領は北との統一を指向して赤化していきます。側防塔のトロスト区南朝鮮が落ちれば力の落ちた日本では簡単に陥落してしまうのが目に見えています。

日本には力を取り戻して防共の盾になって欲しい、しかしこの現代において固定相場のような保護的な体制は作れない。

そこで大陸が行った独裁統制財政市場経済ハッキングをさらに逆ハッキングした、自由資本体制型民主社会主義巨人兵器「MMT」を送り込むことにしたのではないか、という佐藤の妄想ができあがるのでした。
これはまさに主人公エレンの中に進撃の巨人と始祖の巨人が共存しているようなものです。
赤の毒=独裁を極力廃しながら積極財政を民主主義で制御するという難しいハンドリングが求められますが、米ソ冷戦時にすでに「成功した社会主義」といわれた日本であれば可能であると睨んだのでしょう。

果たして日本は西側なのか

大陸側から見れば覆いかぶさる蓋、太平洋側から見れば大きな防御壁、という米国から見て地政学的に重要な拠点となっています。

米国にとって都合が良い日本。
米国の振る舞いによって国力の増減にまで影響しますが、日本はそれをあえて利用しているという側面もあります。
トランプ大統領はその辺りに商売人の鋭い嗅覚で気づき、「安保は不平等だ」と言い出したのでしょう。なぜ日本の国防に米国の若者だけの心臓を捧げなければならないのか!と。
世界第一、二位の経済大国をまさに右と左に分けているのが日本という壁といえるのではないでしょうか。

自由資本体制型民主社会主義巨人を武器にした日本が共産主義型巨人から自由資本体制を守る壁となるのか、はたまた「地ならし」をする悪魔となるのか。

MMT(現代貨幣理論)から目が離せません。


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