代表の佐藤です。

上司に、あれしろ、これしろ、あれするな、これするな、と口うるさく言われ、「うるさいなぁ、もっと自由にやらせてくれよ」と思ったこと、ありますよね。

佐藤もサラリーマン時代にそう思いました。
手かせ足かせが窮屈で、これが無ければもっと力が発揮できるのに、と思っていました。

しかし、本当の自由というのが実はより残酷であるというのが今回のお話し。

10年近く前の調査ですが、国際成人力調査PIAAC(ピアック)というものがありまして、文科省のHPの説明を抜粋しますと、

『経済のグローバル化や知識基盤社会への移行に伴い、OECDに加盟する先進国では、 雇用を確保し経済成長を促すため、国民のスキルを高める必要があるとの認識が広まっています。このような中、OECDでは、各国の成人のスキルの状況を把握し、各国の政策に資する知見を得ることを目的として、初めて本調査を実施しました。』

とのこと。

こちらの調査で驚くべきというのか、まぁそうでしょうね、というのかその人それぞれの環境で感想が変わるとおもいますが、以下の結果が出ました。

日本人のおよそ1/3は日本語が読めない
日本人の1/3以上が小3~4年の数的思考力しかない
PCを使った基本的な仕事ができる日本人は1割以下しかいない
65歳以下の日本の労働人口のうち3人に1人がそもそもPCを使えない

いかがでしょう?

佐藤としては結構驚愕の結果で、まさか日本人の1/3も日本語が読めない!?そんなバカな。

恐らく単語は読めても文章となると内容が理解できない、論理的に情報を整理できない、という意味だと思います。

しかし、この日本の結果はそれでも世界トップレベルの成績でして、

先進国の成人の約半分は簡単な文章が読めない
先進国の成人の約半分以上は小3~4年以下の数的思考力しかない
先進国の成人のPCを使った基本的な仕事ができるのは20人に一人

これにより、1%の知的エリートとその他99%に分断されているというのが世界(OECD先進国)の状況ということなのでした。

そしてさらに恐ろしいことは、1%のエリートが99%を支配している「のではなく」、それぞれの階層ではその階層にいる人同士でしか交流しておらず、別の知識レベルにいる人がいるということが認知・理解できない、つまり「そんな人はいない」と思っているということです。

「まさか日本人の1/3も日本語が読めない!?そんなバカな。」という佐藤の反応がまさに「そんな人はいない」という思い込みがあったということです。

みなさんはいかがでしょう?
こんな文字で真っ黒な文章をここまで読み進められるのですから、同じ反応だったのではないでしょうか。

よって、その1%の知的階層の人たちの都合によって社会構造が形作られているため、ますますその格差が広がっているのが現状ということなのです。

つまり、「自由」を推し進めることはそれぞれの階層に人々を分断し、支配と被支配のグラデーションをますます濃くすることになっている、という証拠が出てしまったのです。

共産主義や全体主義のような統制社会を忌避するのは、ソ連やナチのようにわかりやすいですが、メビウスの輪で表と裏が地続きになってしまうように、実は自由を推し進めると「自助努力」の美名のもとに緩やかに真綿で首を絞めるかのような支配構造、「独裁とはまた別の全体主義」に近づいていってしまうのです。

共産も自由も推し進めれば、実は見ている地平線が同じになってしまう。

この構造はしかも複雑な「入れ子」構造の無限ループに陥っていて、この構造を打破しようと下層の住民が知的水準を上げてより高い階層の住人になると、下の階層の問題が見えなくなってしまい、やはり自らの階層の理論で社会構造を構築してしまうことになります。

これを打破するには、下の階層が登るだけでなく、上の階層も降りてくる必要があります。

共産も自由も地続きなのだから、逆に「共産でもあり自由でもある」中間地点が存在するはず。

かつて日本は「成功した社会主義国」ともいわれました。

所得倍増計画を打ち上げ、利益を多く出せる企業からは多く税を徴収し、利益の小さいところからは小さくする。

利益を出せるところから多く取ったらその企業がやる気を無くすじゃないか、という指摘は歴史的事実と反します。
当時の日本企業は税金を払うくらいなら、と設備投資や人件費で社会に還元することでより企業を繁栄させていました。

旺盛な公共投資と自由な民間企業活動という両輪が高度成長を成し遂げたのです。

民需も官公需も同じ需要です。
需要に対して供給を発揮するのはもちろん民間事業者です。
官公需も当然民間を元気にする大切な需要なのです。
官公需は自由ではないのでけしからんというのも立派な、そして危険なイデオロギーなのです。

むしろ今の日本の凋落は「自由というイデオロギー」に絡めとられ、より強いものには対抗できない自由のピラミッドに組み込まれるように仕向けられているから、といえます。

自助でできなければ共助、共助でできなければ公助という一方通行ではなく、自助・共助・公助が同じ割合でトライアングル状に支えあう社会が「共産」なのか「自由」なのかという二極のイデオロギーから脱却する、まさに中道の社会だと思います。

ジャズもブルースもロックも「自由」といいながらさまざまな規制の中で演奏されるから「らしい」ものになるわけで、「規制で自由が少ない」というのも悪くない、むしろ本当の意味で自由なのです。

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