貨幣の信任失墜論は映画コマンドーの例のセリフのオマージュコント

代表の佐藤です。

前回は貨幣の本質をお話ししました。

貨幣の正体とは負債であり、紙幣や預貯金というものは借用証書、その記録・帳簿だ、といった結論を導き出しました。

近年話題のMMT(現代貨幣理論)を持ち出すまでもなく、貸方借方で誤りなく資産・貨幣の出入りを記帳する複式簿記からわかることですので、ぜひ会計士の方に貨幣の発生まで遡って仕訳を確認してもらいましょう。事実か否かはっきりします。
MMTに否定的な会計士でも「あれ~?おかしいな~、くそ~・・・」と言いながら否定できない事実を目の当たりにせざるを得ないと思います。

貨幣とは負債、これは単なる事実でしかないからです。

そもそも信用創造を否定する会計士なんているのかがそもそも疑問なのですが・・・。

貨幣の信任、という言葉のあやふやさ

貨幣の信任とは、信用創造とはいったい何なのか。

ずばり、前回の記事のヤップ島のやりとりの例でカッコつきで書きましたが、A漁師さんがB農家さんの秋の収穫を信用することで魚をわけてあげる、といったことがまさに「信用創造」となります。

Bさんを信用しますよということで、AさんがBさんの借用書に信用を付与してあげるのです。

つまり、Bさんの未来の農作物収穫事業を「信用」してあげたのはAさんです。

Bさんが万が一サボったりして約束の期日までに農作物を渡せなかった場合でも、Bさん自身の信用は無くなるでしょうが、Aさんが付与した信用がついた借用書は生きています。
農作物がちゃんと納められるまで、貸しが残りますよね。

債権者であるAさんが債権をあきらめないかぎり。

そうですよね?
あなたがおカネを貸した相手がおカネを返さない場合、相手の信用は無くなりますが、おカネを貸した事実は消えません。
そこでそのおカネが返ってくるのをあきらめるかどうかは別のお話で、おカネ自体が信じられないことにはなりませんよね。

むしろ悔しさで貸したおカネがよけい貴重なものだった気にすらなりそうですが・・・。

つまり、借主Bさんの信用が無くなったところで、借用書の信任が無くなるなんていうことは無いんです。
信用を与えたのはAさんですから、Aさんの責任においてその債権を棒引きするかどうかを判断します。

だから、借りた側の不作為によって、貨幣の信任の失墜はありえないのです。

よりわかりやすい例え話をしてみましょう。

極論:ババ抜きはポーカーフェイスで誰かに渡せばいい

Bさんの債務不履行が発覚した時点でこの借用書は無効とされ、Aさんが返済不能の被害を被ることが通常のことかと思います。

とはいえ極論をいえば、仮に、その不良債権化した借用書がすでに流通してしまっていても実は問題はありません。

以降はあくまで極論ですよ!極論!

本来問題となるのはAさんがBさんから直接回収しようとする場合だけです。

この直接回収をAさんではない第三者がやろうとすると当然回収できないので、いわゆる「取り付け騒ぎ」というものになりますが、そもそもこれは騒がなければ良いだけ。
Aさんの手元に戻るまでババ抜きのように債権をグルグルつけ回してしまえば良いのです。

その借用書が無効になって困るのは本質的にAさんだけなのですから。

ちょっと具体的な話に落とし込んでみましょう。

漁師Aさんがより良い釣竿が欲しくて、「秋になってこの証書をBさんのところに持っていけば麦をくれるよ。おれが保証する。」と、農家Bさんからの借用書を釣竿職人さんに渡すこととします。
釣竿職人さんも材料の竹が欲しいのでその借用書を竹取りの翁に渡して、といった具合にグルグル世間を回ります。

月日が流れ、このグルっと回っているうちにBさんがAさんとの約束を反故にしました。
それを知っているのはAさんだけだとします。

最終的にそんな事情を知らない竹取りの翁が、Aさんの釣った魚を譲ってもらうときに、手元のBさんの借用書を渡せば解決です。

Aさんは借用書を引き取らないわけにはいきません。
だって自分が信用を付けた借用証書なのですから、「そんなの価値無いから使えないよ」なんていったら呆れられてしまいます。
竹取りの翁に「Aさん、あんた自身が魚10匹やる対価にBさんの麦もらう、って約束して自分でそれを保証したんだろ」って言われておしまいです。
サボって麦を作らなかったBさん以上に、Aさんの信用はガタ落ちでしょうね。

Bさんに約束を破られたAさんだけが「あら、借用書返って来ちゃった。Bさんからは回収できないし。あー損した。」というだけなのです。

あくまで極論ですよ!

釣った魚がBさんに取られっぱなしで麦は手に入らなかったけど、良い釣竿が手に入ってたくさん釣れるようになったからその釣果で別の人から麦をもらえば良いか、といった感じにすることもAさんであればできます。

通貨の信任が崩れるとき

実はさきほどの例え話の中で答えが出ているんです。

信任が崩れる瞬間とは、事情を知らない竹取りの翁がAさんが釣った魚を譲ってもらう際、手元のBさんの借用書を渡す時に、あろうことかAさんが「そんなの価値無いから使えないよ」と言った時です。

つまり、Aさん自身でBさんを信用して「麦と交換できる」という価値をつけた借用書を無効だとして、Aさん自身が「自身の信用」を「自身の手で失墜させる」という謎の行動に出た時、ということです。

わかりますかね?

おれがこれを信用できるといったな。あれは嘘だ。
と言ってるのです。
おれを信用するなんてどうかしてるぜ。と言っているんですね・・・。

映画「コマンドー」のあの名(迷)シーンのようです。

「面白い奴だ、気に入った。殺すのは最後にしてやる」
「お前は最後に殺すと約束したな」
「あれは嘘だ」

Aさんを金融機関、Bさんを企業に置き換えてみましょう。

金融機関が企業の事業計画を精査して、おカネを企業に融資して、その企業が金融機関におカネを返済に持っていったら「そのおカネは無効です」というわけなのです。

ワケわからないですよね。
でもこうすれば確かに貨幣の信任を失墜させることができます。
自分自身で自分の信用を落とす。

負債を負わせて日本銀行お墨付きの借用証書=紙幣を渡したのに、その紙幣を持ち込んで返還しようとしても受け取ってもらえない。
借りた紙幣を紙幣で返済できないとなればなにをどうすれば良いのやら。
紙幣を借りることはできるのに紙幣で返済できない。
通貨の役目を果たしていません・・・、といいますか・・・うーん、ごめんなさい。説明ができないくらい意味不明です。

貨幣の信任失墜論の発展系で、資金封鎖やら、新円切替論が出てますね。
この手の論は、貨幣の信任が失墜するから資金封鎖や新円切替をするそうですが、因果関係・順序がまるで逆です。
資金封鎖や新円切替をすることで、日銀が日銀の信用を信用するな、と言うから貨幣の信任が失墜するのです。

このように、「正しい貨幣観があれば」貨幣の信任が失墜することはありえません。

とはいえ懸念材料はあります

ただし、日本政府は過去それを行ったことがあります。

預金封鎖も新円切替も戦後のドサクサに紛れて愚かな選択として施行した歴史があります。

これはなによりも貨幣観の誤りが引き起こす人災でした。

負債が貨幣の正体であるにも関わらずそれを理解していなければ、負債がたくさんあるのは大変だ、負債を無くさなければ、とやってはならない行動を取るのです。

預金封鎖など、とんでもないことです。

自ら貨幣の信任を貶め、負債を負った側が強制的に負債を棒引きしたのです。
債権者が債権を放棄するのではなく、債務者が自らの債務を反故にしたということです。しかも一方的に。

預金は銀行の投資の原資でもなければ資産でもありません。預金者への負債です。
預金は銀行にとって負債なのですから、預金封鎖ということは「銀行が借りたカネを返さない」ということなのです。
預金というのは単なる帳簿のデータですから、記帳されている以上存在するものなのです。
預金として集めたおカネを使って何かをしているという事実もありません。預金が記帳されているより減るということはあり得ないのです。

現物として日銀券が不足しているなら印刷すれば良いだけのこと。
銀行がおカネが無いから預金を払い戻せないなどということはありえません。

当時は戦争による国土焦土化で供給力が大きく棄損されていましたので、需要に対する供給不足(モノ不足)によって高いインフレが発生していました。
金をいくら積んでも食料が手に入らない、そういった状況です。

その解消に預金封鎖をしたのです。
カネを無駄に積むからインフレするんだ。カネがあるからインフレになるんだ。カネを懐から無くしてみんな貧乏になってしまえ、ということです。

明かな誤りですよね。

経世済民の政策とは真逆です。

正しい貨幣観であれば、供給する側への政府による支援を増やし、旺盛な需要に対して供給力をキャッチアップさせることを急ぐべきでした。
例えば壊滅した都市部に比べ、空襲を受けていない地方では米はいつも通り獲れていました。よってそれを都市部に流入させ流通させる経路を整備すれば需給バランスの改善に貢献できました。
しかしその流通を整理しないためにヤミ米化して法外な金額になったのです。それをできるだけの人員すらいなかったという要因もあるにはあるのですが・・・。

ただ、当時はまだGHQ占領下でしたので、正しい政策を打てなかったし、むしろ占領のため敢えて貧しくさせる方策をGHQが指示してきたのかも知れません・・・。
まさに鬼畜の所業です。
(この辺は書き始めると、怒りと惨めさと祖父世代の方々のご苦労に筆と涙が止まらなくなるので割愛)

日本の信用が無くなって通貨の信用が無くなる?

そんなことがまことしやかに言われています。

日本の信用がなくなる理由は、単年のGDPの倍以上「国の借金」があるから、だそうです。

国の借金というと、外国から借金(対外債務)があるのかな?と思うでしょうが、違います。
ここでいう国の借金とは、国債発行残高のことを指しています。
報道の、国債発行残高が1200兆超!国民ひとり当たり980万円の借金!っていうアレです。

国債発行残高とは、正しくは「国の借金」ではなく、政府の発行した国債の額です。

ちなみに国の借金という印象のままの「対外債務」はもちろんありますが、日本が外国に持つ資産「対外純資産」の額がそれを大幅に超えているため、むしろプラスです。

負債より資産がたくさんある状態の人を何というでしょうか。
一般的には「お金持ち」と言います。
ましてたくさん負債があって、それを上回るたくさん資産がある人を「大金持ち」と呼びます。
しかも、ポッと出の成金一代目ならいざ知らず、世界最古最長の歴史を持つお家柄となったらいかがでしょう。
ふつうに考えて信用しかありません。

なにがどう転んで信用が失われるのでしょうか。←この辺りは別の機会で。

でも、国債が増えているじゃないか!
政府の借金じゃないか!

前回と今回の記事で貨幣の本質を知ったあなたなら理解できるかと思います。

政府が発行した国債残高とは、政府の負債とは、つまり「貨幣の発行数量」である、という単なる事実・現実です。

対外純資産世界一のお金持ちの国が「1200兆円も遊んでるおカネ」があるにも関わらず、それを使わないで「おカネが無い、おカネが無い」と騒いでいるのです。
確かにそんなアホな状況を傍から見たら「コイツ、アカンヤツや」と信用を無くすかも知れません(笑)

「アホちゃいまんねんパーでんねん」

それではまた次回。

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