着物を着て、横を向いた姿で上半身を撮った吉行淳之介の白黒写真。
みなさま、こんにちは。北川です。
最近、作家村松友視さんによる吉行さん回顧録を読みいたく感銘を受け故人を強く思い出しました。
まことに恥ずかしいくらい単純ですが、本日はある文豪をめぐり文学等について考察し、「読書」が人生に与える影響について以下記します。
世田谷は上野毛の賢人こと作家の吉行淳之介さんが94年に亡くなられてはや27年経ちます。
上野毛駅前のパチンコ屋に壮年のころ通った記述が存命中はよくありましたが
都心で対談をする以外は毎日自宅で執筆に勤しんでおられたようです。
ご存じ女優宮城まり子さんも同居される二号邸です。
最近ふと思い出したのですが昔まだインターネットがなく、キンドルもなかったころ
新潮文庫は「インテリげんちゃんの夏休み」なる糸井重里さん作コピーを冠し、夏のキャンペーンで自社選書100冊に帯をつけて、名優・小林薫さんのポスターをつくり国民にむけ名作読書を奨めていました。
時間がある=読書を愉しむ。上質な「体験」で時間を過ごす
キャンペーンを目にするたび、読書、じっくり考えを巡らせるのは魅力的な時間の使い方に思えました。
想像力によるトリップとでもいいますか。贅沢のひとつです。
私の中で新潮文庫とは
阿川佐和子、遠藤周作、開高健、志賀直哉、向田邦子、吉行淳之介、のちに村上春樹など、
各氏タイトルを繰り返し読んだもので(敬称略)
大学1年の時、友人が新潮文庫「老人と海」(ヘミングウェイ)を水泳部の遠征にもってきてるのを目の当たりにして洗練度合がちがう、、、とハイエンドなセンスに驚き
コンプレックスを覚えました。
その友人は物書きとして現在多方面に活躍中です。
昭和後期の文豪たちのことを考えると、インターネットがなかったころ、文士にはいまより遥かにステータスが。
編集者たちにはプライドがあったと思います。
情報の発信者として社会的地位が高かった。
個人的に吉行さんをそんな文脈の中でとらえています。
書籍、読書の社会的位置づけも、かつての文豪たる所以であったと思っています。
そんな時代に寡作ですが対談やエッセイの名手として芥川賞作家の吉行さんは活躍しました。
同時代の開高健さんと違い書斎派であり想像力と銀座通いがねたの源泉です。
それと不健康からくる刹那の魅力ですね。
檀一雄ばり、私生活の奔放さが有名ですが結核など帰来体が弱かったせいもあり、望んで自由な文士人生を謳歌したと理解しています。
とにかく女性にモテた。
画像をみればおわかりのとおりです。
吉行さん著作の多くは男女関係の機微な感情のゆくえ、所作の描写が多く、いま読んでみると到底溌剌とした風景ではない。
どろどろと渦巻く怨念、愛情の変化(悪化)のさまなどが多くのテーマです。人の不幸を語らせたら随一です。
たぶん、いまなら不道徳のひとことで世間から一蹴されてるかもしれません。2000年代の渡辺淳一さん同様に。
これを事細かに解釈するのは、まさに好みがわかれるところで谷崎潤一郎、三島由紀夫などが好んだテーマよりさらに細分化されたものと思います。
ゆえに圧倒的な知名度になるまで広く親しまれなかった。
後年、村上龍・春樹の書籍が大層人気を博したのは「現代」を描いた小説が80年代以降の感性にフィットしたと考えており、それ以前の純文学はやはり落語でいう「古典」になってしまいます。
なにしろ現代人のスピード感たるや3年ひと昔です。
そもそも純文学というジャンルは、インターネットからの情報発信がメインとなった現代で膨大な情報量。
画像、動画、情緒を排した文章などのスピード感、インパクトと大きく隔たりがあります。
小説を読むとはそれこそ個人の知識からくる想像力行間を読む行為があって価値の有無が分かれます。
オンライン・オフラインの比較がなかった時代の著作、純文学はいまとなっては電気の無い離島で1週間じっくり取り組むくらいしないと価値が認知されにくいとすら思います。
不思議なもので、10代に読んだ本とは、30年以上たったいまでもその時の感情がうっすら思い出せるのです。これは今だから分かったこと。
ですので、生活上必要な読むべき本もあれこれありますが、小説も感動したならば、それはおそらく3年後10年後も地層のようにその人の内面に残っていると思います。
それも若いうちに読んだ内容なら、感触は一生残る気がします。
冒頭にもどり、新潮文庫が名作の読書をすすめるのはじつに理に適っている。人の一生に関わるはなしではないか。
あらためてそう思うのです。
もちろん忙しい現代人にとり、ゆっくり読書する贅沢はなかなか訪れません。
自由な時間こそが贅沢。日々そう思います。
文豪が存在した理由、読書が人生に与える影響について考察してみました。
乱文ご容赦、毎度ご精読を有難うございます。
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