みなさま、こんにちは。北川です。
自分の居場所 とは快適でないと長時間(長期間)すごすのはしんどいものですよね。ですが緊張を強いられる環境でも、仕事や、やろうと考えていた作業が捗る、時間の有効活用に満足する、という場合もあります。
他方、わたしはかつてバーフライとしてあちこちに行きつけのお店がその年その年でありました。家なみに落ち着くサードプレイスが必要であったのと、気の合う人物がいれば会話するのは割とすきであるからです。アルコールが大して好きなわけでないなと気付いたのはかなり後で、普段日常で飲酒しない日があろうと全くきになりません。
いずれも共通していえるのはスペースに対して人が多過ぎないこと。特に真夜中や早朝のガラ空き飲食店は快適に感じます。狭苦しい店や場所が滅法にがてなのです。混雑する電車もそう。都心の電車内でビールやおかしを飲食する人も苦手です。東海道線や常磐線ならあたりまえでも、東急線では勘弁してほしい。そもそもそんなに飲酒したいならば電車にのらず、コンビニのまえで飲み終わってから乗車してほしいとおもいます。もしくは仕事以外の時間ではつねに飲酒しているのかはわかりませんが。
真夜中にガラ空きの飲食店、郊外のマクドナルドなどまさにそう。80年代に発表された「パン屋再襲撃」村上春樹作品をごぞんじでしょうか。この短編の後半がまさに深夜のマクドを舞台にした物語なのです。おはなしの全容はばらしてしまうとつまりませんので書きませんが、初期村上作品特徴の登場人物が少数、主人公がつねに深いコミュニケーションを試みる、もしくは無関心を詫びる、そんな内容です。寂寥感、虚無感から立ち直る主人公とその妻の会話とある略奪(マクド襲撃)がつづいていきます。
この深夜のマクドの情景描写がわたしは大好きです。画家エドワードホッパーの有名テーマ。そんな店、深夜のデニーズなどで独り仕事、読書や考え事をするのがかつてすきでした。広々としたデニーズによく深夜や明け方逗留し有意義な時間をすごし、クラブハウス・サンドイッチをたべる。実家そばの24h営業のマクドにも深夜よくいった。

そんな個人的アドレッセンスが夜中の飲食店にはつまっています。静かなよる、従業員しかいない飲食店の広々したシートでゆっくり思索をめぐらすのがかつては贅沢におもえました。20代のころ昼間あまり生産性が感じられなかったからかもしれません。自室よりひろい空間に自分しかいないのが心地よかった。
村上春樹さんの小説にでてくる若者たちは、モラトリアムから現実社会にフィットしていくその生活の変容がおおくのテーマです。もしくは「ファミリー・アフェア」のように常識的な社会生活をいとなむ妹と自堕落な兄の対比。自由気ままな学生的思惑から、どのように人間が成長していくのかというテーマが多いようにおもいます。自分も20歳くらいのころまでは将来行く末を具体的にイメージできなかったわけで、共感しながら恐らく小説を読んでいたはず。
時はたち、いまや家族もいて古い友人らと過ごす快適な時間や場所が増えたのかなと思うわけで、長い時間をかけ自分の居場所を拵えてきたような気がします。この先またあらたな居場所を求めさまよわぬよう、若いころ自覚していた気の迷いを封じたいものです。わがままはほどほどにして。
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