みなさま、こんにちは。北川です。 コロナ第11波到来です、変異株にご用心ください。
先日池袋演芸場まで、春風亭昇々(しょうしょう)さん主任興行をみにいきました。夜席あがり20時
笑点の司会である昇太師匠(芸協会長)の一番弟子ですが、親子会一門会はあまりやっていない模様
昇々さんは真打昇進にいたるまで 弟子入りの日からはじまって師匠から怒られたことがないそうです。昇太さんがあまり他人に関心ないせいもありますが、なにか気に入らない点を目にしても黙る(不機嫌ではなく、ただ黙る)のみで小言はないそう。ただ、そうなると弟子たちは至らぬ場面を思い起こし「申し訳ございません」とすかさず陳謝する。人を𠮟れない偉い人というのもままあるようです。故竹下登さんもそうでした。
わたしは新作落語があまりすきではないのですが、たまたまユーチューブ「三遊亭王楽のおへや」でみたふてぶてしいお姿と「顔がいい」「家庭農園にひっちゃき、その話しかしない」ところが昇太さんとまたちがうベクトルでおもしろく、たまたま寄席でみれるタイミングがあり意を決して鬼門・池袋までいきました。帰りも空いててこれ幸い
つくづく渋谷・新宿・池袋が苦手になっております。理由はごちゃごちゃして人が多過ぎる、ただそれだけです。不快というか得体のしれない若者たちと外国人が多く歩きにくいので、なるべく近寄らないようにしてます。さいわい、池袋演芸場は末廣よりも駅からの距離はちかく、かえりもあっというまに場末の繁華街をあとにしました。
トリの昇々さんはいざまくらからおもしろかったです。 当日鉄板ねた「裸ンナー」(新作オリジナル)というのは高座で大の字にねそべるアクションがあります。座布団から完全にはなれ舞台で寝る、という演出は高座ではじめてみたもので驚きました。見るものを引き込む熱演でした。
喬太郎さんもそうですが、まくらですでに面白いのは全神経でお客さんのことをかんがえている芸人だからだとおもうのです。見ず知らずのお客さんになにも考えさせず笑ってもらえるのは現代における落語家の条件であり「落語の知識有無は関係なしで、プロの演者はやるべき」喬太郎さん弁のとおりと思います。
それと町野ハンサムこと昔昔亭A太郎さん(せきせきてい・えーたろう)、まるできく麿さんこと瀧川鯉八(たきがわ・こいはち)さんもその日の番組後半でみれたのですが(たまたまいづれもユニット成金メンバー)錬成のたまものを見るに寄席も顔付けしだいで値千金とおもうにいたる。
うわさに聞いていた、A太郎さん☝もじつにおもしろかった。
まくらのフラが最高です。わたしの大好きな「仕事だけどふざけてる」大人。あまい声で自分の出演するTVCMギャラのはなしをしだして適当に煙に巻く。顔のよい芸人が着物をきてへらへらしてると幇間そのものです笑※ 噺家の型のひとつ、故右朝さん小ゑんさんや故喜多八さんもちかい。一之輔さんもその系譜なんですが笑顔なく皮肉多いのは玉に瑕。
※ほうかん=江戸時代のたいこもちのこと。人をよいしょして気にいられた挙句にお金をもらう職業。
師匠の桃太郎さんもかわった御仁でありますが、A太郎さんも放送作家になろうとほうぼうでねたの研究中に師匠の高座をみて、自分でやってしまったほうが「早い」と裏方から転生。入門までそもそも落語をしらなかった奇妙な噺家です。
作家としてすきなネタを作り出したかったゆえ新作落語を自由に演じたかったそうですが、案外古典落語も得意です。関西人なれど完全な標準語話者。なんというか、まくらの機嫌よくうれしそうな表情がかわいらしい46歳。まじめなインタビューで「この世界にはいったんですから、人気者になりたいんです!」そうのたまい精進されています。
歌舞伎もそうですが、上背があって着物をきるといわゆる「端正な男前」は得をします。
芸人なのですが話芸も端正におもえてきます。このあたりが落語はかならずや笑えると限らない特殊な芸能たるゆえん。ましてや苦労は顔にでないのが粋なのです。ナーバスで有名な宮治さんでさえ、げへげへ笑う芸風でカバーしています。
一見まじめそうなA太郎さん、師匠にもらった名前でなやみ(日本で唯一のアルファベット含む名)、自分の将来性に独りなやみ鬱鬱と3か月失踪したこともありました。その間成金メンバーが陰ひなた支え、自分らしさを取り戻して復帰。師匠もあえて一切不問にしたそうです。数年後真打になりましたので翻っていい話です。名付けで嘆いた親御さんも気を取り直したそうな
A太郎さんのフラは、いまをときめく喬太郎さんのようには声を張らないところに特徴があります。早口にならず立板に水でお客様のご機嫌をうかがう、まくらが絶妙です。小満んさんより聞き取りやすく、だけれどもおおきな声を出しすぎないお座敷むきのソフトな語り口、ていねいな口調が心地よい。
こうした技術はある種ナレーターのようでもあり、目立たないけど心地よいシルキーボイスはそうそういないと思う。さらには七三分けが似合う雷蔵的マスクは高座で映えます。まくら最中に写真とってください...と3分くらいネタにしてますし笑 喜多八さんとちがい嫌味がないさわやか...
過日みた古典ねた 鷺とりも、ていねいでテンポ、口調もいい塩梅でした。安心の安定ぶり。鷺がおっこちてきて拾う演技もメリハリがあってとてもよかったです。
たぶん居残り佐平次とか廓ものにかなりはまるのではないか。フラと色気のお師匠さまです。おもしろい奇妙なあじわいでなく、志ん朝さんのような粋でかっこいい噺家、正統派にすくすくとなってほしい。志ん朝さんのように役者もじきたのまれるのではないでしょうか!テレビ出演に色気をみせないところがまじめだなあとおもうのです。たぶんおそらく、小痴楽さんもそうですが「普段TVをみない生活」がゆえにTV出演の「おいしさ」をあえて考えず、寄席と地方行脚で腕をみがいてるんでるんではないかと訝しんでるんですが!はたしてどうか。
かねて贔屓する立川吉幸さんとまた違う、現代人噺家による新作の妙味をおしえてくれた成金メンバーにしみじみありがたみを感じる今日このごろです。
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