みなさま、こんにちは。北川です。
台風がやってまいりました。900ヘクトパスカルという未曽有の威力。九州地方みなさまのご無事をいのります。
またも池袋の寄席中席にて。瀧川鯉八さん昼席主任興行、中入り鯉昇師匠のくいつきで A太郎さん 10日間出番。初日にいってまいりました。何時ころ出番です?ときいたところ折角お答えくださいましたもので。
寄席とは上席1-10日、中席11-20日、下席21-30日とそれぞれ昼・夜休みなく番組が組まれています。都内ですと新宿、池袋、上野、浅草の定席なる老舗の寄席でそれぞれ番組が編まれ、落語協会と落語芸術協会の所属落語家たちが呼ばれては日々出番を務め升。
主任とはトリをつとめる落語家を指し、今回でいうと鯉八さんの芝居=主任興行ということになります。トリは時間を長く使えるのですが、最後うまく芝居を締めないとすぐに酷評をお客・同業者からどしどし賜るものですから気が抜けません。それを支える、場をうまくあっためとくのが手前の出番の仲間たちというわけです。
玉川奈々福先生が最近芸協に移籍され、鯉昇一門に加わられまして今回もひざで出番がありました。残念ながら鯉八さんの17時までわたしは居ることができず奈々福さんも未見で帰ったのですが、すさまじい浪曲は講談ばりの迫力であったとか。
中入りまえ出番の面々。小笑さんは前日まで浅草で10日トリをつとめたあと、連続で池袋10日間という働き者。なんかみんな暑い暑いといってるけどおれはちゃんと働いてる。小屋に来てるんだ。おれはエライといいます。しまいには来るだけで十分だろ、やる気なんかないよ。と言い放つ某さんまであらわれる。このふざけた会話こそが落語の神髄な気がします。いい加減さ。
昇輔さんのつぎの色物・マジックジェミーさんに、さっきから気になるあなた、寝ないでね!とわたしを指し示し云われてしまいました笑 あなた、あしたも来たらネタ道具あげるからね。とかおもしろい。客いじりがとくいです。最高。
中入りまでのいくつか 以下落語のみ寸評を。寄席とはかならずマジック、紙切り、漫談などの色物芸人さんを落語や講談に挟みながら番組を編成します。この顔付けは席亭(社長)が独断できめ各芸人さんにオファーをだします。二つ目も気に入られて出番多い人もいれば真打で暇な人もいます。この日の噺家は以下の通り。
・昇輔さん「あくび指南」  ちょっとフラ不足 まじめ。
・小笑さん 鯉八さんの鹿児島同級だそうでオーソドックスな「浮世床」。もうすこしゆっくりはなすほうが好みです。
・柳雀さん「猫の皿」  このひとは地の文と演技の部分でテンション、声色をかえないのでメリハリが...それ以上はいえません。
・A太郎さん「ちゅーる」  後述します。
・鯉昇大師匠「千早ぶる」  声は張らないのですが流石の年季、とぼけたフラは誰も真似できない
ちなみに豆知識ですが、落語家のなまえは〇〇〇(亭号)◆◆(なまえ)という、弟子入りした一門の亭号に師匠からもらったなまえを組合せます。(本稿では亭号を省いています)くわしくいいますと亭号は案外自由に選べたりしまして、春風亭一門でも小朝さんの弟子に蝶花楼桃花さんという女流真打がいます。二つ目までは春風亭ぴっかりでした。とまあ自由なのですがもちろん師匠の許可が要ります。協会の許可ではなく、自分の御師匠様がすべてきめるしきたり。
さて、芝居(鯉八興行)の初日 ビッグA太郎さんはどんな塩梅であったかといいますと、この日お盆でもありめずらしく昼席から大入りであって、出囃子ででてくるなり満面の喜色。3回もおじぎしてニコニコとなかなか座りません笑 このひとのふざけてる(すこし舐めてる)フラが最高におもしろいです。
ちなみに、寄席とは幕間含め撮影と録音は禁止なのですが おそらく現在A太郎さんのみ、撮影おねがいします...と高座で3分間ほどポーズをとってくれます。まくらで毎日毎回です。嫌味ない美男の役得であります。故小三治師にええがなといわれたらしい。いくらばかにされたっていい、小三治師匠にいいじゃねえかっていわれたんだから。
☝心酔と揮毫してあります。心酔中。
この日かけた新作ねた「猫まねき」の内容もそうなのですが、ビッグは間の取り方とふざけたフラ=とぼけた可笑しみが最高すぎます。顔もいいしね。あらわれるだけでウケる、西川のりおさんのように得な芸人。喋らずニヤリとするだけでうけるんだから得です。
さてちゅーること「猫まねき」のねたについて。
A太郎さんは自宅でも愛猫と暮らしていまして、猫好きなあまり家に女性をいれないようです笑 それは冗談ですが、二匹の猫が登場人物でねこ同士の会話だけが延々つづき終わります。さげはこの場では申しません。途中、いなば食品「ちゅーる」に魅入られる猫の演技が秀逸でありまして、雷蔵のような顔のおじさんが必死に猫のふりをする演技のおかしみはえも言われません。
昇々さんもですが現代語による新作ねたとは、ご想像とおり普通の演劇のようにはなしは進んでいきますので、古典ねたと異なり噺家オリジナルの熱演が肝となります。毎度の言い立て、おなじみの啖呵を切る場面がないからです。いわゆる噺の世界観への引込みが昇々さん鯉八さんA太郎さんともみな上手い。流石プロだなあと思う瞬間です。まさに役者
それと現在TVCM出演2本のスターA太郎さんらしい「ちゅーる」という商品名を連呼するのは、どうかんがえてもいなば食品への仕事オファー懇願、もしくは愛猫へちゅーるを寄贈してくださいという魂胆しか透けてきません笑。わたしの心が曇っているせいでしょうか。宮戸川を先日浅草でかけていましたが、古典ねたも十分おもしろいお師匠様なんですよ。
この日は出番のおわりに扇子を小学生女子のお客様に差し上げる大サービス。大入り満員だと芸人さんたちもほくほくと嬉しそうにいろいろやってくれます。小笑さんはなんだか浅草と勝手違いやりにくそうでしたが。
最後にトリビアを。 噺家とは扇子と手拭いをかならず携えて高座にあがります。噺の内容により使わないことも多いのですが、江戸前本式ではかならず扇子を横にして座布団のまえに据えます。
これを結界といいまして、お客様と自分たち演者の境目とします。白線をひくような意味合いです。恐らく寄席のような正式な舞台がないところでも落語は行われるため、演者が気を引き締めるために行う所作であり、扇子を置いて以後にお客様たちは声を掛けてはなりません。邪魔をしてはいけないのです。携帯電話の着信音なぞ以ての外。
先日、鈴本演芸場である特定の無作法な客が、指笛で喬太郎さんの邪魔をして大問題になりました。喬太郎さんも高座から怒りを露わにした。芝居なのですが、歌舞伎とちがいお客様は笑い声のみ許される。それが落語鑑賞のマナーなのです。
毎度拙文のご精読をありがとうございました。
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