みなさま、こんにちは。北川です。
関東中心部では台風の爪痕がおもったよりすくなかったですね。河川の氾濫があるかとおもいきや降雨量がへってきてたすかりました。地震も台風も神奈川によってくるのはいったいなぜなのでしょうか。
人の話をぱっと聞いたときに「いったい、なぜそうなのか??」と首をひねることが、誰しもたまにあろうかとおもいます。
私の妻は(亭主同様)映画がすきで自宅には大量のBlu-rayがあります。シャーロックホームズ、ジェームス・ボンドはコンプリート。それとなぜだか戦争映画が30本くらいあります。プラトーン筆頭に、ブラックホークダウンまで。マッシュと1941はない。あとナポレオンもない。フォレストガンプとワイルド・バンチはあります。
はるか昔まだ彼女の趣味を詳しく知らなかったころ、音楽の趣味はおよそわかったのですが 「戦争」映画をとても好む。そういきいきと語るので「銃器・武器マニア」」「軍服フェチ」「歴史マニアの偏向」いづれのうちどれなのかよくわからず、横目で鑑賞のようすをみていると。
どうやら修羅場、真剣勝負、生死を懸けた緊張の場面が興奮する、それを好むようです。ホラー映画が好きな人にちかいのかな... 最初にきいたときは 「は???」 となり、なんとコメントすればよいのか、いささか困りました笑
妻とプライベート・ライアンをみていると、シン・レッド・ラインとの録音の違いをいろいろ講釈してくれます。わたしはPRのほうがプロットがすきであるのと、映画史上もっとも重層的にリアルな銃声がきこえる映画(録音の奥行感が精緻)としてインパクト最強とおもっています。ステレオ左右へのフェードなど本当にリアルそのもので芸が細かい。40回くらいみています。カナダ人役者ギャリー・ペッパーによる狙撃手ジャクソン迫真の演技がじつに大好きでしかたありません。
冒頭にもどると「プラトーン」(オリバー・ストーン監督)を妻は好みます。おそらくベトナム戦争再検証ブームの口火をきった映画ゆえのインパクトだからとおもいますが、わたしは同時期公開であるフルメタル・ジャケットのほうがすきです。マシュー・モディーン最高の演技がみれ、キューブリックが過去もっとも高い評価をした役者、ロナルド・リー・アーミーの演技を世界中に知らしめた映画なのです。
キューブリックならでは、USマリーンズ(海兵隊)養成学校のドリルインストラクター=新兵錬成教官が、ごぞんじ放送禁止用語しか叫ばない。しごき・罵詈雑言を本物の教官OBが実際そのまんまカメラテストで披露したところ、アドリブ(脚本は無視)でやってくれと役をもらい本番撮影された有名な逸話です。本来キャスティングされていた役者は、脇役の機上からマシンガン乱射する兵士に配役を格下げされてしまったそう。
キューブリックは台本を忠実に再現することを常に役者たちへ要求しますので、脚本を超える演出を自ら演じてみせた役者はおそらくアーミー唯一人です。彼のイマジネーションを超越してくる演技をする者はそうそう居ません。
フルメタル・ジャケットについては、2万字位いいたいことがあるのでそれはまた別の機会に。
戦争映画というジャンルは、西部劇がブームであった戦後から映画界のおおきなテーマのひとつ(であった)といえましょう。1945年に第二次大戦がおわり国際連盟が発足し、NATOとWTOの両軸で次第に緊張はたかまっていった人類史ですが、やがてアラブやアフリカの第3極も紛争に登場してくることになり、映画の題材となっていきます。資源や希少鉱物の利権、宗教上の不寛容をめぐり紛争はこの世からつきることはありません。
西部劇も南北戦争にいたる小さな紛争や山賊(ワイルド・バンチ)の活躍が題材であって、映画的には派手な演出が観客に好まれやすい、勧善懲悪がわかりやすく、見るものがすっきりする映画が量産されたものとおもいます。
そもそもはアメリカのマジョリティ・コーカサスたちが好む映画をつくっただけなのです。TV映画コンバットもそう。パットンや独ソ戦など一部マニアにうけた映画もありながら、そこから40年へて、アメリカ単独で最大の犠牲をはらったベトナム戦争が泥沼の終結をむかえたのちに。プラトーンで野蛮なアメリカ人のすがたを再確認するまえ、歩兵戦戦闘シーンのすくないベトナム戦争映画「地獄の黙示録」(フランシス・コッポラ製作)が1979年公開されています。
黙示録が公開されたのはじつはプラトーンより先なのですが、圧倒的に話題になったのはプラトーンでつまりは戦闘シーン(火器銃砲の派手さ)に話題があつまったというわけでした。オリバー・ストーンの問題提起はそもそも不毛な戦争があったという総括で、他方コッポラの映画のテーマはまったく違う難解なものでマスアピールには乏しかった。戦場のリアルな描写には長けていましたが、狂言回しのウィラードが混乱することばかりミッション遂行についてまわるというおはなしです。わたしの妻が好むのは戦闘シーンの緊張だけですので、ウィラードのまわりに渦巻く数々の狂気についてはあまり関心なかった。
ですが、わたしはこの長い長い叙事詩がとても好きです。コッポラ自身も気が狂う寸前まで追いつめられた修羅場の悲惨さはいまなお語り継がれています。「ハート・オブ・ダークネス」というメイキング映画もつくられたくらい。カーツ大佐だけでなく、ほとんどの登場人物が戦争の狂気を帯びているのが戦闘シーン以外の会話からもよくわかる、なんともおそろしい映画。
不可解なこと、その最たるものがなぜカーツは無軌道な反乱軍を率いるに至ったのかですが、結局ミイラ取りがミイラになってしまう。最後まで霧がかった説明のつかない人間の心理と行動の不明さ。2時間半かけてこの映画のメッセージは不明瞭でも、カーツの数少ない言葉だけが手掛かりで観てるものもウィラードのように反芻してしまう。一筋縄でいかない映画こそなんどもみてはカーツとウィラードの心中を思い描くのです。
カーツことマーロン・ブランド ヒクソン・グレイシーではありません
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