みなさま、こんにちは。北川です。
本年の8月 仲の良い友人R邸そばに、おばんざい居酒屋Sが開店しました。
路面店で駅から2分。内装は厨房ほかスケルトンからつくりこんだかなりの投資額物件です。すでに常連と化しているRとケイちゃんと、連休中日の夕方おとずれました。30人くらい入れる長屋のような奥に細長いSを、酒飲みの二人はかなり気に入っているもようです。
Rはサラリーマンエンジニアのかたわら、バーのオーナーになりたい願望があります。過去いくつもの物件をみにいきテナント契約の審査を申し込んだくらい、飲食店経営について日夜研究を重ねています。
気に入ったおみせを見つけ出し足しげく通っては、オーナーと親しくなりテナント料やお客さんの数などをいつのまにか聞き出すくらい熱心。ただし以前に、適切な店長さんをみつけることができないなら、店を持つのはやめたほうがいい。あっというまに1千万溶かすよ。そう助言したこともありました。お酒がすきなRは自分のベスト・サードプレイスを実現させるのが長年の夢であるそうで、物件さえあればまたトライしそうな勢いはあります。必死でまた止めることになりそうです。
そんなRが手放しでほめたたえるS。まだオープン1か月ですが、人通りがおおい道に面しており毎日大層繁盛しているそうです。お酒もめずらしくサッポロビールにはじまり、美丈夫ほか日本酒のセレクト、そしてクラフトジン6種までぬかりない。そしてなにより料理がおいしい。なんと厨房に炭火の火鉢を、まないたの横に据えてあり、魚やお肉をじんわり炭焼きするのです。そこまで手間暇かけるSは、オーナーシェフたけちゃんの個人経営です。業界歴20年の修行をへてはじめて自分のお店をだしたそうで、定休日はありません。おそろしいことに年中無休なのです。
☟これくらい巨大な火鉢が花板のよこに鎮座しています。目の前はかなり暑い

2人は家も近く常連ですが、わたしは初めてお伺いしまして、料理の多彩さと美味しさにおどろきました。土鍋ごはんにつけるお椀にあら汁までこさえるマメさなのです。さらにおどろきはすべての料理をオーナーしかつくれないこと。つまり、メニューをかんがえたのもたけちゃんであれば、作れるのも彼しかいないので「休めない」ということなのです。 刺身の御造りから、ハラミと大根の煮物、かんぱちカマ焼き、自家製薩摩揚げ、前菜のおばんざい5種、土鍋ごはんと、お酒は日本酒3合、カヴァ1本、ジンソーダ、ビールなどなど。これでもかと飲み食いして1人5000円ほど。横浜市内なのですが都内ならば倍のお勘定になるでしょう。
年齢にしてはいささか食事の量を摂りすぎましたが、ひさしぶりに蛇崩・銀紋のような手の込んだ和食を食べた気がします。いったいどんな割烹で修行したのか、中高年にすこぶる人気となるのもよく理解できます。たまたま連休中日にいったこともあり、サラリーマンの飲み会がなく落ち着いた時間をすごせました。料理のおいしいお店が近くにできると、簡単にはつぶれないようついつい応援したくなります。それはRもけいちゃんもおなじようで、やたらオーナーの個人事情にまでくわしい。お客に愛されるお店・店主とは理想ではありませんか。
いわれてみれば、ZというバーではじめてRに会ったころも居心地がよいのか、オーナーと深夜いつも親しげに話し込んでいたものです。日々苦吟してはたらく中年とは夜はお酒を舐めながら本音を吐露しあうサード・プレイスが必要なのかもしれません。当時泥酔して店に来るA夫人もそういっておりました。幼子を抱え必死なワーママの呂律がまわらない姿は痛々しいものでありましたが...
Rは海外育ちのせいもあるのか、仲の良いひとと飲食をともにするのを好み、感情もあらわに談論風発、はなしはかなり面白いです。エンジニアにしては一般的な傾向と逆に感情表現ゆたかな、むしろプロマネやBPにむいているタイプにみえます。この数年は意図的にアンガーマネジメントを心得まして、以前よく会社の会議でプロジェクトの膠着へアメ人ばりに怒りをぶちまけていたのもなくなり、穏やかなおじさんになりました。最近のデ・ニーロのように好々爺ぽくみえるときもあります。コーディングやAIについてはなしだすと延々とまらないのはもちろんです。
そんな彼がなぜに自分のお店をもちたいと思うのか、ある日尋ねたことがあります。
「むかしから、20代のころから。自分の隠れ家のような、自分の部屋にお客を招くような場所が欲しいとおもってるんだよ」そうのたまう。
いうなれば、ガレージをとにかく自分の好きなもので埋め尽くすかのような願望をずっともっているらしいのです。なんとも少年らしい話であります。
日夜理想の酒場を思い描くR曰く、飲食店を繁盛させるには。
ご飯をたべて、お茶やお酒をのみ、結果お客さんが満たされ快適な状態になるのを実現してあげれば、お店はきちんと経営が成り立つ。もちろん適切な人材は必要ね。まともな饗応ができれば顧客満足は誰しもみたされるのだから、むずかしく考える必要はない。そういいます。
実際にできている店はおおくないんだけどねとも。 一番の要諦は、お客様どなたにも気持ちの良い対応ができるかどうかだとおもいます。
酒を愛する高齢者を酒仙というそうですが、Rは徐々にその境地へ近づいているような気がします。
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