みなさま、こんにちは。北川です。
先日、DJの矢部直さんが早逝したおくやみを書きました。そのとき弔辞を著した知人のSさんが8月ツアー中の岡山で死にかけました。(キーボードを弾くプロの音楽家です)
矢部さんと親しかったSさんはSuperCatsというファンクバンドのバンマスで、レコードのプロデューサーもつとめ、さらにパークトーンという自主レーベルの一人社長です。パークトーンから自分のバンドのレコードをリリースして、プレス・受注・発送も社長がやってます。そうはいっても数千枚は売れるのです。ほかにもプロデューサーとして井の頭レンジャースというロックステディバンドのPDR・音源リリース・受注発送もやっており、かなりの収入であります。自宅に在庫をもち毎日せっせとお客様へ梱包発送する、音楽PDR兼レーベルオーナー様。
そんな超人が岡山・徳島の演奏旅行にでたところ、岡山の出番のあと胸をかきむしり倒れタクシーで救急に担ぎ込んだところ、全国でも有数の心臓外科専門医がいる「榊原病院」ですぐさまカテーテル手術が行われ心筋梗塞から生き返りました。ほんとうに運がいい。だって、矢部さんは前月死んでますからね
ツアー公演地とはまったくの偶然なのですが岡山は著名な心臓外科医がおおいらしく(札幌に脳外科医が多いのと似た事象)ほんとうにラッキーですねと、間に合わない死者も数おおく看取る病院内でいわれたとか。
というわけで岡山で入院したバンマスをおいて、徳島(じつはSさんの実家)出番をつとめた4人はスケジュールの都合で四国からそのまま帰京。都内からおとうとさんが見舞いにいくと、なんと術後回復いちじるしく「トライアスロンでれるよ」とうそぶく元気さでおどろいたようです。ほんとうに悪運というか強運とだれもがいいます。本人はステージで絶命したかったそうですが...
Sさんの名を知ったのは、20年前 GREAT3のRECクレジットに登場してからなのですが、ライブも本来ブックされる堀江さんが多忙のころクライマックス・ツアーで代打をやってました。発売されたDVDでもみたことあります。まあいまから20年まえなので、髭もなくわかいですね。
そんな大好きなバンドの客演をするミュージシャンと、かつて友だちがバンド・ラブミーテンダーを始めたので楽屋にいってさっそく紹介してもらいました。柚木さんもたしかいた記憶があります。おもったより小柄で顔がかっこいいのと、喋るときたいていはゆっくり話すので「まじ百戦錬磨のバンドマンは、生きるリズムがちがうな」と感心しました。堀江さんもそうですが、ステージで余裕をぶちかますいなたいプレイもかっこいい。スモールフェイセスのイアン・マクレガンのような激渋のプレイです。
キーボードプレイヤーでロック史上最も注目を浴びたのは、ディ-プパープルのジョン・ロード。本邦ではゴダイゴのミッキー吉野さんだとおもいます。それまでロックバンドではニッキー・ホプキンス、ビリー・プレストンなど脇役のセッションプレイヤーがおおく、バンドのコアとなったのはジョン・ロードやドアーズのレイ・マンザレクくらいなものでしょう。ジャズ業界では、ハービーやチック・コリア、キース・ジャレットなどなど、スタープレイヤーは山のようにいるのですが、ロックの世界ではドクター・ジョン、レオン・ラッセルくらいしかソロアルバムが有名になった人はおりません。
Sさんはギターも弾けるのですが(堀江博久さんもおなじく)ステージではキーボードを数台操り、ときに英語の歌詞をカタカナでかきとり、カンペをコンソールのよこに貼り付けていたりします。お父さんがジャズ喫茶を経営していた趣味人の息子さんだそうで、幼いころから音楽といなたい遊びに長けており、21歳で上京してからはバンドマン人生(レーベル運営含)と執筆活動で大忙しです。
そう、じつは音楽活動のかたわら、Sさんは博学過ぎる知識から類まれな文才を発揮し、あちこちに書いた雑文を集めた書籍が過去3冊出版されています。
ご一読すればすぐお分かりになりますが、音楽や映画、社会通俗史、サブカルチャーに信じられないほど詳しく、小西康陽さんに匹敵するくらい文章が上手い。 わたしもかつて活字中毒であり、教養をかんじさせ、かつ内容が面白い文章が誰にでもかけるものでないと心得ているのですが、ほんとうにおもしろい。シカゴでスタジオ経営するジョン・マッケンタイアさんからも「こんな変人はみたことないぜ」とGREAT3のレコーディング時に誉め言葉を貰っています。アメ人も驚く有名な逸話
Sさんは自分の読書遍歴についてあまり明かさないのですが、地図や実録文書を興味の赴くまま貪り読み続けるのは、日記的雑文に日常としてたびたび記されています。彼の好む音楽家や有名人が亡くなると、弔辞をうまーく短文でしたためてくれるのですが、ほんとうに感情が的確に表現されており矢部直さんへの弔辞は涙が溢れました。まさかその1か月もたたぬうち、自分も死に瀕するとは。
Sさんが辛くも落命せずに、多彩な異能をまだまだ発揮して世のなかに驚くべき「教養」を展開してくれるのはありがたいことです。強運の持ち主は心臓手術・入院代200万円の回収に苦戦中だそうで、ぜひSupercatsと井の頭レンジャーズのレコードを5枚ずつお買い上げください。レンジャース珠玉のアナログシングル群はイギリスでも密かにヒット中で残り僅か早いもの勝ちです。

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