食事の作法

みなさま、こんにちは。北川です。

20年前のこと。　六本木のマクドナルドで昼すぎ簡単な食事をとっていますと、日系アメリカ人らしきスーツ着用の長身男性が独りおっとりとフランス料理をたべているかのようにゆっくり優雅な昼食を咀嚼しているのが目の前にみえました。

まるでナイフとフォークを使っているかのようにみえる美しい所作で背筋も伸び見た目厳かです。あまりに優雅で自分がマクドナルドにいるとは思えなかったほど、いまだに記憶に残っています。なにか考えごとをしているようで、ゆっくり食事をしながら心ここにあらずといったまじめな表情が脳裡にいまもあります。

会食以外にマナーを気にすることは自身あまりなかったのですが、わりに厳しくしつけられたせいか見た目が悪い汚い食べ方をせずに暮らしておりまして、たまに指摘され褒められたりします。親の有難みに感謝するばかりです。焼き魚の身の外し方ですとか。

30歳くらいのころ、まだ数回しか食事をしていない新しい恋人と外食をしていると、カトラリーの使い方が丁寧で品があると褒められ思わず親に感謝したものです。割と自分では気づかないものなんだなと、すこし得をしました。石破茂さんが気の毒であります。

ところが。自分が親になり伜の食事作法が一向に行儀悪いまま、矯正されないのにひたすら嘆いております。食事がおわるまで席を立つなと毎日毎日理由とあわせ諭すのですが、百万回伝えてもあかんのかいと不思議で仕方ありません。落ち着きがややない。

食事の所作がみにくいとあらゆるところで恥をかく。親の顔が見たいものと揶揄されるくらい、面と向かい指摘されることはないけれどおまえの信用がなくなる。そう毎回戒めるのですがあまり話を聞いていません。

これが、近隣友だちの家でご馳走になったときは意外や。あとから懇意である親御さんから礼儀正しいとか、首をひねることを言われたりしますので自宅でも励行してくれと願うばかりです。嘆息

例えばカジュアルな外食で食べ終わったお皿を下げやすいよう重ねる合宿所のような所作をたまにみかけます。セルフサービスならわかるのですがウェイターウェイトレスが居る場合はマナーに反します。

外国に行ったり旅行に行ったとき、すなはち他人の目に晒されるときはせがれも友人宅のように日頃マナーの教えを多少重んじるようで、自宅での無精や手抜がなんとかならないものかと嘆くのは親の欲目なのでしょうか。

それもこれも自宅なら他人様の視線はないからではなく、あらゆる食事の機会で恥ずかしくない所作をとれるとは、自分が親から授かったありがたい教えとおもっているからなのですが。

最後に会食やデートで役立つトリビアをひとつ。

初対面の相対者が1名ないし2名のとき、テーブルで自分にとり重要人物の横に座るとうまく距離感が縮まります。なんならカウンターでもよい。すなわち向かい合わせで観察されているやも多少の緊張感が生じるより、お互い気楽で居られます。

正面にすわり隙なく愛想よく自信満々でも構いませんが、お見合いのような余所余所しい会話になる可能性があるのでお勧めはしません。

横にすわり相手の食事の所作をあまりまじまじとみないほうがいいこともある、というおはなしでした。

☟まじまじみても安心できる美しい所作　ゆっくり手を動かすのが秘訣

毎度拙文ご精読をありがとうございます。