みなさま、こんにちは。北川です。
過日、埼玉県比企郡小川町の友人宅へいきました。
移動2時間半、わたしがおもうに自宅から200kmくらい離れた秘境です。埼玉とは東西にひろい地形なので先月行った東武ワールドスクエアも埼玉県久喜あたりなんですが数百キロ離れていて互いの地の民が普段交わることはまずないはず。
小川町とはかつて上州〜越後にぬける街道の宿場町であったそうで、酒蔵が3軒、ヤオコーなど当地発祥老舗商店もちらほらあり、かつては賑わった名残りがあります。しまむらの創業地だそう。いまは空き家が増えた田舎町です。
群馬に程近い北関東の町にしては威勢のよいヤカラはいません。同様にカーステがやかましい派手でじゃまな車もみかけません。御老人とわずかな移住者の街はほんとうに静か。平和で街灯があまりないので、よるは戸外を歩くひともすくなく。ほんとうに人里はなれた田園をあるいてるかのような錯覚におちいります。
人の住む家が友人N邸まわりにはまだ沢山あります。ですが人気(ひとけ)がないのです、わたしのすむ川崎市北部の日頃のようす、感覚とくらべると。もちろん、電車のなかを見ていればあまりにも乗降客の数がちがうので当然電車をおりた先に人の住む家が私の自宅周辺ほどないことは一目瞭然なのですが、東京を挟んだ近くの県でこうも違う。群馬にちかづくとこうも人が減るのかというのをはじめて実感できました。
そうはいえど、ヤオコー(スーパー)発祥の地であり駅前にある店舗はとてもきれいで改装のち築5年といったところ、ひなびた建物ばかりではありません。あたらしいローソンもきちんと駅前にあります。終夜営業のファミレスは駅歩5分くらいなのですがローソンと徒歩30秒のセブンイレブンが目に入ると気分がやや落ち着きます。
見慣れた文明の証拠のような...わたしが俗世間風景にいかに慣らされてるかを痛感させられます。あるいてNくんに案内され自宅へ赴く途中、駐車場40台くらいを併設した酒蔵「晴明」さんがありました。ひやおろしの発売時は賑わうらしいですが、がらがらで人気なし。付近の車の通行量もすくない。
N邸は築5年くらいでご老人が手放す注文住宅をすかさず200万引きで買えた、お買い得物件です。元のオーナーが次にすむ物件決済(マンション)を急いでいたため値引きがなされたそうで、ここまであたらしい戸建てはこの地域でなかなか売買市場にでてこないそうです。そもそも新築着工(建替え含む)がすくない。
そこまでの豪農がすくなく、また車をみていても古い軽自動車ばかりで家計にかなり余裕ある世帯もすくなそうです。とはいえ、N邸のむかいは40代夫婦が新築をこさえやはり移住してきたそうで、先日はまだ玄関前の駐車場を造成途中でした。日陰ゆえコンクリがなかなか乾燥しないそうで、20坪くらいを完全に打設完成するにはあと2週間くらいかかりそう。
N邸はもともとご老人2名用の住宅なのでさして部屋数もありません。Nくんも奥様とふたり暮らしなので、画家であるNくんの作業アトリエを旧寝室 改装でこさえたほかはリフォームをしていません。そもそもきれいなまま購入したので。
さらにはオール電化住宅で、エコキュートにお湯がストックされています。夏冬で必要量が異なる自動調整もされ光熱費はガス併用とあまりかわらないそう。調理もガスの火力とは塩梅ちがいますが、普通に野菜炒めも短時間で可能。さすがに本格中華料理にはややきびしいみたい。
そんな過疎の街で、週1回都内出社以外は在宅でWebデザインをして働くNくん 毎朝5時起きで2時間シルクスクリーンの版画をすり、下絵を作ります。二刀流の生活を25年送る彼の版画は、毎年個展とECで10点以上あたらしいオーナーが購入しては納品されていきます。あたらしい情報やイベントをさして欲することもなく、ジャズのレコードを聴いてウッドベースをたまに奏でる絵描きの生活は、1年まえの駒沢時代とあまりかわらないのにすこし笑ってしまいました。
どこに居を構えても、マイペースで仕事しやすい環境を作ってしまうのですからたいしたものです。移住に支障がすくないかはきちんと調べ選んだそうで、きっとこれが日本以外でも変わらないんだろう。温厚で朴訥とはなすNくんと奥方のようすとあたらしい家の和室はとてもお似合いです。老夫婦の老境予行演習のようでもある。
冬のある日、Nくんと奥さまと数年ぶりに語らい、また2時間かけて帰宅しようと電車へのると、夜の帳が下り駅の周りは真っ暗闇です。始発駅なのですが乗客は来たとき同様まばら。
独りで普段こないまったく未知の過疎地にくると、冬のはやい日暮以後とてつもない寂寥を感じます。不安すら増す。ようやく原宿まで距離をつめ、見慣れた風景に安堵すると往復4時間半の長旅の疲れが滲みました。4時間半もあれば京都往復できるのですから、、
ただ旧知の友人宅に半日いただけなのに、移動の大仰さにえらく長旅をした気分になった1日でした。
毎度拙文のご精読ありがとうございます。

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