
代表の佐藤です
以前より貨幣の正体などを書き連ねてきましたが、いくら貨幣に通じていても金融で儲けることはできません
なぜなら金融市場とは実体経済とは実はほぼ無関係なところを多く含んでおり、また市場内のプレイヤーの「思い」で動いているだけだからです
このような問題意識を持ちつつ、最近はChatGPTなどAIを活用して対話法的アプローチで考えをまとめています
AIをGoogle検索のように知らないものを探す・教えてもらうというスタイルではなく、むしろAIの誤り(一般論が起こしている誤謬)を突きながら修正を重ねるような使い方です
それらのことを説明しながら、実体経済が金融市場に振り回される事からの回避策を提言していきたいと思います
長くなるので何週かに分けて書き進めていきたいと思います
今日はその第一弾として、前提となる知識や考え方の確認をしていきます
金融市場というと、国債や為替、株などという扱い商材が多いです
しかし本質的に同じですので、イメージしやすい株取引を例に進めていきたいと思います
それは投資ではなく投機です
さて、株式市場ですが、取引のほとんどが既発株の売買であり、既発ということはその売買であり、株発行元の企業には現金は入りません
中古車を売買してもメーカーの売上にはならないのと同様です
| 種別 | 内容 | 企業に現金が入るか? |
|---|---|---|
| 一次市場(Primary Market) | IPO(新規株式公開)や新株発行など | ✅ はい。企業に直接資金が入る |
| 二次市場(Secondary Market) | 証券取引所などでの株の売買 | ❌ いいえ。投資家間での取引で企業には入らない |
中古車との比較
新車を買う(一次市場) → メーカーにお金が入る(企業の売上)
中古車を買う(二次市場) → 以前の所有者にお金が渡る(企業の売上にはならない)
同じです
では市場で株を売買する意味は
- 投資家が資金を流動的に動かせる
- 株価が企業の評価の指標になり得る(?)
- 株価が高ければ企業は将来的な増資で有利な条件で資金調達しやすくなる
- M&Aやストック・オプション発行時にも有利に働く
などと一般的には言われています
しかし先述の中古車の例で示したとおり、「株式市場=企業のための資金調達手段」とは必ずしも言えず、株式市場の多くは投資家(いわんや投機家、市場プレイヤー)の間での価値のやり取りの場だというのが実態に近く、「株の売買=企業の資金になる」というのは誤解であり、実際には資産市場における流通(というか資産所有権の移動に過ぎない)市場としての機能が中心ということなのです
「企業の評価の指標」などと言われていますが、企業の業績とは無関係に株価は乱高下します
なぜなら、単に金融資産市場内の需給のバランスでしかなく、それは市場プレイヤー同士のババ抜きのようなものでしかないからです
実体経済は関係がないのです
日本語では投資と投機と非常に似た単語になってしまっていますが、英語では投資をinvestment、投機をspeculationと明確に違う言葉が使われています
つまり、一般的に企業への投資と思われていた行動が実は市場プレイヤーのキャピタルゲインを稼ぐための投機だったのです
金融は経済本来の働きを壊す
株取引は構造的に実経済とは別の株式市場という枠の中にストックしてしまいます
株式市場はその構造上、以下のような特徴があります
- 富裕層は資金を資産購入に回し、株式という形で富を「保存」(ストック)できる
- 株価上昇や配当で資産がさらに増え、再び資産市場に再投入される(リフローではなく再ストック化)
- 消費としてフロー(実体経済)に戻る比率は低い(マージナル消費性向が低い)
このように投機の無限ループが発生するのです
この結果、貨幣の多くが実体経済の循環から切り離され、資産市場内に閉じ込められることになります
貨幣は元来、交換と循環の媒介として設計されています
- 貨幣が人と人、企業と企業の間で流通することによって経済は活性化する
- 所得 → 消費 → 所得 という循環が回ることで、経済は動的に安定する
- 経済学でも「フロー(flow)」と「ストック(stock)」は基本的に別物として扱う
貨幣がフローでなく一部で滞留(=ストック化)するというのは、循環が阻害される=経済の本来の機能が失われることを意味します
※ちなみに法人税はこの循環が阻害されることへの罰則として機能させるもので、利益への罰則ではありません。一方、消費税は売上げへの罰則でフローから貨幣を取り上げるだけに作用しているという経済破壊税です。
そしてさらに、そのことが貧富格差の構造的拡大を引き起こします
| 富裕層 | 一般層・貧困層 |
|---|---|
| 余剰資金を株・不動産などの資産に投資 | 所得は消費に回り、資産形成が困難 |
| 株価や地価上昇で資産が膨張 | 物価や住宅価格の上昇に直面し、生活が苦しくなる |
| 資産収益がさらなる資産投資に回る | 実体経済において賃金は伸びず、負担だけ増える |
つまり、貨幣のフローが資産層で閉じ、実体経済に還元されないという構造が、貧富の差を拡大再生産する装置として働いているのです
まさにバブルの種になっていることがわかるでしょう
貨幣が金融市場内に積み上がっていくループに陥る様が容易く想像できることと思います
今回のまとめ
ということで、ここまで読み進めていただいてお気づきの通り、金融市場というものはそもそもが「欠陥構造」を多分に含んでいるのであり、経済を壊す元凶そのものとなっているのです
この「壊れた世界」を制御すること、バブルを回避することは可能なのでしょうか
非常に浅く考えた場合の対処の方向性として、以下のような考察が一般的にされています
- 資産課税(キャピタルゲイン課税や相続税の強化)
- ベーシックインカムによる下層への貨幣注入とフロー促進
- 株式市場の取引に「貨幣循環性」を付与する仕組み(例:金融取引税)
非常に浅いです
とくに資産は個人の自由であり国家が制限してはならないと考えるリバタリアンにとって、租税→再配分とは政府の権限を大きくすることに他ならないため受け入れることはないでしょう
さて、そのような問題提起をしつつ、次回は現行の仕組みの中での制御は可能なのかを探っていきたいと思います
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