みなさま、こんにちは。北川です。
遅ればせながら2023年の話題作をアマプラでようやく観ました。
ブラックスワンに近い味わい。ターと発語します、主人公リディア・ター(ケイト・ブランシェット)のおなまえ。スリラー作品といってよいかとおもいます。
ターはプロの有名女性オーケストラ指揮者の役柄なのですが、モデルとなる人物がいるのか不明ながら、エキセントリックな言動が演出で強調されます。天才の栄光と没落についてのおはなし。
残念ながら不肖クラシック業界にはあかるくないため、楽団員や指揮者の日常や意識はよくしらないわけですが、録音と公演で延々と旅する生活は理解します。
それと、終始描写されるオーケストラ周辺の人事権をターが握るのもよくわかります。ただし、恣意的な言動も名声とトレードオフです。これは世界中でちかしいであろうかと。
クラシック交響楽とは純粋芸術の最たるものにおもうわけですが、この映画は音楽の再現性ではなく、むしろ人間関係のドラマにフォーカスされます。女性であるターが職業柄許される我儘をつくした結果、身の破滅を招く。
物語途中までの天才ターは、自信に満ち溢れ狂気を匂わせる仕事ぶりで周囲を翻弄しながら名声を高めます。ですが、私生活での私情が徐々に職業上の倫理を侵食してゆき人生が狂う。仕事と私生活のバランスがむつかしい創作、創造性のあやうさが後半に彼女の人生を崩落させるところがみものです。
一見、女性的な感情のたかぶりや、非理性の行動が、ジェンダー固有の特性にもおもえるのですが、いにしえのカラヤンがいかに独善的であったかなどスター指揮者の逸話を鑑みるに、ジェンダー問わず音楽家は自身の感性や考えを関係者や聴衆へつぶさに言語化して理解させることはしないな、と気づきます。
物語のラスト、狂気から解き放たれたようにみえるターのあたらしい環境での仕事ぶりにアッと息を呑みます。没落ともいえないなと思う次第です。
名声を自身の恣意で失うも、能力を生かせる仕事を求めつねにドーパミンを出し続けることを欲する、指揮者の生き様のようにみえました。むしろこれしかできない
おもうに、ブラックスワンにおけるクラシックバレエもそうですが、イス取り競争で主要大役、ポストがきまる古典的伝統芸能のスターたちが、他人を蹴落とした結果として自分の地位がのこる残酷を人生で繰り返していく。そんな職業人生をつづけるメンタルの強靭さは常人に不可能であるまいか。そうつよく思わせられた映画でした。
ほんの数分のラストに強く驚かされます。ぜひご鑑賞をおすすめします。
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