代表の佐藤です。
丹田というものをご存知でしょうか。
ヒンドゥやヨーガなどでいうチャクラのうち、眉間のあたりを上丹田、みぞおちあたりを中丹田、下腹部あたりのものを下丹田といい、特に下丹田を臍下丹田、省略して丹田と呼ぶことが多いようです。
昔から、納得することを肚落ちするとか、度胸があることを肚が座っているとか、重いものを持ち上げるときには肚を据えろとか、「肚」が心体の軸となるような表現がなされてきました。
弊社では4mを超える長い物や50kgほどの鉄板コイルなどを肩に担いで運ぶ事もままあり、その際にやはり重心位置を骨盤の特に仙骨当たりに据えて、腰で歩くことになります。
普通の歩法ですと、歩を進める度に重量物が上下左右にブレて上腕や肩、首などの筋肉で支えるようになるため、大変疲れますし、怪我にもつながります。
そんな事もあり、佐藤はわりと「丹田」についての理解がある方なのではと。
近年では陸上短距離やバレーボール、バスケットボール、バドミントン他様々なスポーツでも、丹田を意識する指導法が採用されつつあるようです。
スポーツ科学などでも実はわりと古くから研究されているようです。
さて、以前から当ブログで書いているように、佐藤は自動車レースをやっております。
日本ではまだまだ自動車レース、モータースポーツというものの認知が低かったり、暴走族の延長かのような誤解があったり。
また、自動車免許が実質購入するもののようになってしまっているために自動車の運転というものがあまりにお手軽になってしまって、「自動車運転するのがスポーツとか笑」という認識だったりします。
しかし、例えばパワーステアリングやブレーキの倍力装置が無い古い車を運転すると、おそらく現代人のほとんどはまともに運転できないかもしれません。
ハンドルの真ん中の軸、ステアリングシャフト軸で少なくとも約30N・m。雑な計算ですが、1cm軸で動かすのに300kgの重さ。(実際はハンドルでテコが働くので10kgf/cmほど?)
ブレーキ踏力は70から100kg/mm。
レーシングカーの多くはそういった状態の車両が使われています。
それを短くても20分、長ければ1スティント2時間、前後左右のGに襲われながら操作しているのです。
しかもオリャーッ!と全力で動かせば良いのではなく、ミリ単位で正確に操作しなければなりません。
これを腕単体や足単体の筋肉で操作していると大変です。
そこで「丹田」です。
ハンドルはよく「回す」と表現されますし、実際回ってますしで、腕で持ち上げる方向や引っ張り下げる方向で回してしまうことが多いと思われますが、実は丹田のエネルギーを背骨や背中の筋肉に伝達させて、肩甲骨で「押す」というのが正解。
腕は丹田という「根」に支えられた肩甲骨という「幹」から生えてる「枝」なのです。
重量物を持ち上げて鍛える筋肉のトレーニングとは違い、丹田のトレーニングは自分の体内の理解と対話となります。
いわゆるテスト勉強は筋肉トレーニングですが、自問自答を繰り返して練り上げて行くのが思想であったり哲学であったりします。
たしかに表面の筋肉で多くのことは解決します。
しかしそれは「枝」です。
しっかりした「幹」なしで「枝」を太く逞しくはできません。
とくに先生のいうことなどをよく聞く「優等生」ほどこの「枝」を鍛えようとしますが、細い「幹」しか無く、さらにその「枝」は「接ぎ木」だったりします。
しかもその接ぎ木は別の植物の枝だったりして。
他人から借りてきた他人の考えの模倣にしかならず、さらに幹はその接ぎ木に栄養を吸い取られて痩せ細り、接ぎ木が太る一方で樹内はカサカサに干からびて枯れてしまうかも知れません。
これからますます「他人の考え」に依存する社会に突き進むことになるように感じています。
重要なのは枝葉末節ではなく、幹。
肚を括れるかどうかです。
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