インターネットは痰壺なのか

みなさま、こんにちは。北川です。

本日のタイトル『痰壺』とは大袈裟かもしれませんが、個人的な違和感ゆえいっているだけでおかしいなどというつもりはありません。ネット有史以来、閑人の書き込みがいかに多いのかの例えとおもいます。ふと、なにがしっくりこないのかすこし掘り下げて考えてみました。

たとえば。贔屓のタレントやアイドルなどについて、動画や当人のSNSを毎日眺めたり、ライブに馳せ参じたり、はたまたファンサイトに課金しては、旦那衆のように多幸感で満ち溢れるはなしを見聞きします。（二次元を含む）「推し」がいることによりその人の生活が豊かで充足感に満ちるのを身近でもみるようになりました。

個人の可処分時間・所得で、自分の生きがいをみいだすのはとても前向きであることは間違いありません。仮にそれがない人よりもQOLが高いと感じます。

現実の人間関係が希薄だとしても個人の生活が充実するのを可能にしたスマホと各種アプリの出現は、広義の対人コミュニケーションを再定義したかのようにおもいます。

かと思えば、ジャニーズ事務所が頑なにこだわった、ネット上に所属タレントの肖像をいっさい出さないアイドル文化最大の矛盾が創業者の死により解禁され数年経ちます。ようやく昭和のおわりが遅れて来たかのようです。

それと、よく目にするSNSで推しの魅力や逐一の動向の書き込みを垂れ流したり、承認欲求全開なのか、鍵つき垢にしない人々。鍵垢にしないということは、否定や雑音を目にするのも受け入れるはずなのに。延々と自分の主義主張や正当性を意見陳述したり、いちゃもんに不愉快だとあたりちらしてるのは使い方まちごうとるよ、そういいたくなります。一切ミュートにするか、自分と同意見な人だけで施錠したほうがしあわせな毎日を送れるはず、とおもいます。公人公式の場合はそうもいきませんが。

もっとも、脳内からあふれでる感情をひたすら書いてるだけでそもそも反応する必要ないでしょう、が当人たちの思いのようです。問わず語りはロム専にて。

ツイッター界隈で有名なKさんという英文学研究者がいます。きわめて真面目な某大学職員。この人の根気というか時間の使い方でおどろくのは、無駄としかおもえない閑人からのリプライにすべて反論しているところです。あなたの認識やものの言い方はおかしいですよと、すべてにリプライしているのは異常な親切か、自虐的な性格かどちらかにみえます。ご自身のゼミでもおなじことを対人コミュニケーション心得としているのならおどろきしかありません。

いたって冷静なKさんのふるまいと、前述した推し達に執心する剥き出しの自意識の羅列にはとてつもない差を感じるとすこし言いたかっただけです。

インターネット上で無数のコミュニケーションが日々展開され、アプリやツールにより有用な情報もなかにはあります。同時に、認知バイアスや情報操作も認識しておかないと恥ずかしい思いをするなあ、と感じる今日この頃でした。直情的ふるまいが大人げないのはいづこも同じですね。

毎々拙文ご精読をありがとうございます。