みなさま、こんにちは。北川です。
先日友人と落語を聴きにいきました。ひさしぶりの生の高座、以前に本稿で褒めたたえた落語芸術協会の真打・立川吉幸(たてかわきっこう)さんです。三味線漫談の藤本芝裕さん(女性)と二人会をなさると前日にたまたま告知を目にし、しかも開口一番を立川幸路(ゆきじ)さん出番ありとかいてあるので足を運んだ次第。ちなみに5-6年まえもおなじ二人会をみてます。今回は11回目だとか。
芝裕さんはいつもどおり貫禄のお顔、口上。あの顔でなにをしゃべっても面白くならないわけがない。得な寄席芸人さんです。幸路さんは談幸さんへの入門を耳にしてからはや1年は経ってるかとおもうのですがようやく高座を拝見しました。
なんというか...はいったばかりのような初々しさといえば褒めたことになりましょうが、わかい女性ならでは声がすこし高く細い、口調とリズムがいまいち。まだ稽古量のすくないせいなのか、こはるさんのような滑らかなメリハリがありませんで師匠からどのようなご指摘をうけておられるのか一度聞いてみたい。芸協所属の前座として、幸路さんは毎日末廣や鈴本で楽屋仕事をしながら先輩たちの高座を耳にして過ごしていますので、体に染み込む年季がまだまだ必要なのか、、などつい邪推が浮かびます。同門の吉幸さん、幸之進さんに稽古つけてもらうのはいかがでしょうか。
さておき、5年ぶりに目の前で見る吉幸さんは相変わらず端正な声がでかい。マイク要らない。それとべらんめぇが役者のように上手いです。若干酒のはいったような表情とテンションでした。当日は大安売と蜘蛛駕籠の2席。会場が両国ならではの相撲根多は故文字助さん譲りなのか憑依したようなきもしました。安心してみていられる、与太郎を地でいくすばらしい高座をなさる御仁です。
さて。本日は落語の「おかしみ」について隣でみていた友人からするどい指摘があったので他の芸能と比較しつつすこし考えてみたいとおもいます。古典落語のサゲ(オチ)は、たいていの噺でさらっとシャレで語呂をあわせて「おあとがよろしいようで」と締めるのが定石です。ほとんどの噺でスタンダード。なかには浜野矩随のようにしみじみ道徳のようにおわるのもあります。
つまり、最後出番の終わりで爆笑するものはまずありません。途中の演技で可笑しみをかんじさせ笑わす、もしくはマクラでウケをとる、芝居(噺)の演技の上下やりとりのセリフでフラ=おかしみを感じさせるのが演者の腕次第ということです。
これを漫才のコントと比べるならば、まず江戸時代の会話や出来事というフォーマットが、聞く者に違和感あるなしというハードルがあろうかとおもいます。さらにコントは自由に舞台上を動いたり、衣装をねたにあわせ好きに設定できる点も違います。
落語の高座はすべて定点にすわったまま、上下で登場人物を独り演じ分けなければなりません。しかも和装が決め事。もちろん古典フォーマットに則らない新作落語というのも金語楼、川柳川柳、円丈、志の輔以降ポピュラーになりまして、ファン層拡大により業界の裾野をひろげた偉業とおもいます。
しかしながら、江戸時代の古典落語を愉しむ、笑えるとはある程度江戸文化の理解前提があり、与太者のいい加減さ、会話のあほらしさを喋り口調の巧さ可笑しさによって理解しないと、なにがおもしろいのかさっぱりわからないであろうことになります。そもそもまったく予備知識なしに初めて聞いたとして、げらげら笑う部分はそうありませんもの。
最期のサゲ(オチ)が、流石~!とおもえるような1本とられた、だとか。あほくさ!とスカッと笑えるものはあまりないのですね。まったく演者を知らぬ見るものにとり「すっきりした」感はすくないとおもわれます。オチが最後おもしろかったなら、もう一度みてみたいとおもうんだけどな。そのように友人は評していました。故志ん朝さんのファンだそうなのですが、一般的に落語にたいしてなにが残念におもうか愛ある鞭をふるってくれました。
これは、ユーチューブなど短時間でわかりやすいコンテンツ(ときに字幕で簡潔な説明つき)に慣れ切ったごく一般的な若者の目線でいうなら、なにがおもしろいのかよくわからなかった。ということではないでしょうか。
つまり、ユーモラスな独り何役もの会話の演技が上手いかどうかで落語家は見る者を面白いと思わせるかが問われるかなとおもうのです。しゃべり方が面白いかが大概の別れ目で、味がある。がよい評価足りうるのかと。
笑えるかよりも、演技が上手いなあと感心できるのが理想の鑑賞なのかなと思い始めたのですが、そうなると最後面白かったに感想がならない。笑わせるのには、相当メリハリをつけて喋らないと、とぼけたフラ、ボケとしてウケないのかなとも思います。
そもそも古典的なオチの様式美が、現代ではあまりばかばかしいと笑うほどの内容と思われないのかもしれません。ですが、例えば笑点があれだけ老若男女に視聴され出演者は地方公演でも有難がられるのをみると、古典も現代的アレンジ次第でおよそ万人をしっかり笑かすことはできるのではないか!?そう密かにおもい業界の再興を願うばかりです。あまねく人気がないとなるとすきなプロもそうそう観る機会が増えません。
五代目立川談志さんは伝統を現代に。世間にむけそう云ってましたしね。
以上、古典落語と観客についての所感でした。
毎度拙い文章をご精読ありがとうございます。
よろしければポチッとお願いいたします。
ブログランキング・にほんブログ村へ
=============================

株式会社高木

横浜市神奈川区平川町22-5

TEL045(481)3725 FAX045(481)3625

本社HP:https://www.kk-takagi.co.jp

建築板金資材見積り・制作特設サイト:https://kk-takagi.co.jp/estimate/

金属外装工事Feat.:https://feat.kk-takagi.co.jp

=============================
スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事