みなさま、こんにちは。北川です。
京都市五条坂上の大谷本廟堂に父方の墓所があります。
大昔は存命時のおばあさんとお参りしたり、父といったり、10代の頃独りで最初にいったときは間違えてなんと同姓他人のお墓に焼香と供花をしてきてしまいました。場所をおしえた父に翌日尋ねられことの次第を説明すると、それはうちと違うで。と指摘され気づいた。まさかのまさかです笑 それ以降は道順分解写真をとり自作の地図をつくり墓石に刻まれた曾祖父の名、建立日も写真にとり、地図なしでもすいすい辿りつけるようになりました。倅がこの探索を記憶できるまで耄碌せず生きておかなくてはなりません。
3-4月の京都は関東とかわらずじつに薄ら寒いのですが、16年まえ某REITからたのまれ私募債発行するビルの外観撮影に日帰り出張をしたことがあります。すなわち投資家用の物件写真撮影、もちろん経費も含めた見積の検収を経たうえの出張です。
あさ6:30に品川をでて3件まわり仕事は15時終了。妙心寺のしだれ櫻のまえで、同行依頼したTADのカメラマンに記念写真を撮ってもらったのですが曇り空であまり明るい表情とはいえません。目的の物件写真はレタッチでなんとかなったのですが、記念スナップの曇り空と笑顔どころではないプロマネNさんの表情でなんとも暗い写真だったなと、いまも桜をみるたびおもいだします。
スナップにうつる人物が変顔や笑顔でなく、決め顔ではない無表情。満開の桜なのにどんよりした曇り空。うすら寒い気候もありじつにさえない記念写真です。たまの出張で(しかもややこしくない、クライアントは同行しない撮影)のこされた記録がこれでは仕事もまるでだめであったかのような錯覚に陥ります。そのときは急ぎの日帰り出張でしたので墓参りにはいきませんでしたが、菩提寺にはよく3-5月におまいりします。
4月であれば桜をみながら天気よ、もっておくれと祈ったりする年もありますし。あるときは桜も咲いてはいたが、当時のコロナ猛威が花粉ともあいまって外出を控えるのが賢明な時期に、その年亡くなった祖母の納骨を待ってわざわざ家族でお参りにでかけました。
京都詣では墓参りと大抵セットなんですが、拙妻はコロナをものともせず上洛ご供養を強弁するのにすこし驚きました。コロナ感染におびえながらも投宿のちぶじ祖母の供養をすませ、東寺の朝市もタイミングよく初訪問できました。洛中の桜もほころびはじめ、雨のなかタクシーをフル活用しあちこちの飲食店をまわりながら車中よりめずらしく外国人のいない(コロナ鎖国)五月雨にむせぶ街並みと桜をながめていました。わたしは雨の中でもいそがない旅路であればまったく徒歩をいとわないのですが、寒いのと雨と空腹を極端に嫌う妻はとにかく室内と似た環境(つまりタクシー)でないと気がふれたように騒ぎ出します。
滞在中、有名な中華ハマムラにいこうと夜になり名著「京都の中華」の記載住所にむかってあるいていくと、移転したと書置きが。。。 空腹のまま時間が経過するのを忌み嫌う妻は呪いのことばを吐き出したので、タクシーに押し込み運転手さんへは信号無視する勢いで走ってもらい5分後には京都市役所まえの新店舗へ(とれま)さっそうと着きました。
料理はよかったのですが、なぜだか帰りが店外へでるとえらく寒く、またタクシーはおろか車が市役所まえを通る台数が極端にすくなく、10分ほど吹きすさぶ風にさらされてからタクシーをつかまえ機嫌のわるい家族をホテルへと連行しました。早々に寝かし、翌朝わたしだけ4時におきて光明院波心庭を拝にいきました。蛸薬師のホテルからあるいて1時間。
鴨川を南にくだっていくあいだ、柳や桜をあさのひんやりした空気のなかで眺めていると、時のたつのもおもわず忘れます。ちなみにですが、東山の波心庭はかの有名な作庭家・重森三玲による枯山水のいわば金字塔です。こればかりは筆舌につくしがたく紅葉の時期以外であれば混みませんので、一生にいちどはぜひ拝観をなさってみてください。枯山水のなんたるかが脳裏に刻まれることとおもいます。
あさ5時のだれもいない庭を眺めていると、まるで世界を支配したかのような幽玄の時をすごせます。春の京都の寺社仏閣をめぐる早朝散歩は、空気がひんやりして高瀬川の柳であったり木屋町のまだ開いてる飲み屋さんを横目に、ちらほら咲く路傍の桜を歩きながらみていると、じんわり老後は墓守で上京あたりに住みたいもんやとおもえてきます。春にいくと空気がきれいな気がします。
東寺や御所のような一等地の有名どころに咲く桜もいいのですが、柳のあいだに見える髙瀬川沿いの名もない道端の桜もわたしは同様にいいものだとおもって眺めています。むかーし、先斗のいくた(惜しむらく閉店)でいただいたほうじ茶は滅法おいしく「なんでこんな味がでるのですか」そう義母と店主へたずねると「お水のせいとちゃいますかね」と聞いて以来、高瀬川の流れを道端からみていても美味しい水のようにおもえてくる錯覚に囚われています笑
おなじように、なぜか関東で暖かな日にながめる桜より、空気が凛としていると感じる洛中で朝にみた桜の記憶がいまもざらっと心に残っています。ことしは墓参りには行かないつもりなのでいささか残念ではありますが。
毎度拙文のご精読をありがとうございます。

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