みなさま、こんにちは。北川です。
最近落語のはなしばかり書いていますが、音楽とこれまた違う魅力があります。すなわち、音源のみだけでなく視覚要素である演技と人間性の発露として楽しめるところが味わい深い。そしてしみじみ笑えます。
今日は3人の女流噺家たちをみるにおもうことを書きます。1人はまだ前座なのでプロではありませんが、開口一番高座はあちこちで披露しています。つまり売り出し中の御三方です。
まず立川こはるさん
次に金原亭杏寿・きんげんていあんじゅさん
最後に立川幸路・たてかわゆきじさん
こはるさんは令和5年苦節20年、真打昇進予定。
杏寿さんは5年の修行を終え昨年二つ目昇進。
幸路さんはまだ前座2年目。
3人とも立派な師匠に弟子入りをゆるされ名付けがあり業界入りしたわけですが、関東の通例で落語協会、芸術協会の所属真打になるまで一般的に約15年掛かります。
わたしが心打たれるのは、令和の御世いくらでも楽しい、ラクな求道はあるのに、芸のため苦難の道を選び自分の人生を賭ける類まれな女性の意気込みです。
もしせこい了見が散見されたなら師匠たちは見逃さずクビになる厳しい道です。生き方そのものが見透かされる、なのに人を笑わせ唸らすのが求められるのですから並大抵の覚悟でこの長い修行はむりでしょう。
しかもその間まともに収入を得られるかといえば大相撲の十両以下同様、誰かしらの世話にならないと並の生計は成り立ちません。
つまり、そこまで覚悟して師匠と落語に愛情がない限り、土台無理な生活とおもいます。もしくは実家が富豪か。ほんとうにストイックな芸道です。こはるさんの大師匠である故立川談志は業界随一の資産家で有名でしたが、弟子たちにはなんでもいいから売れちまえ。そう宣いましたが、まったくその通り。
矛盾、理不尽、稽古に耐え忍び真打まで辿り着くと、自分もまた弟子をとれます。誰かに惚れ込み落語のプロになり、その自分の姿をみてまた無名の若者が門を叩きに来る。そうして業界は永らえてきたのですが、栄えたのはテレビが世に出始めたころまで。談志が有名人の部類で国政選挙に当選したのも半世紀前のはなしです。
平成になり落語再興をねがい、志の輔、正蔵、昇太など数多の売れっ子たちが世間に挑んできました。ちりとてちんやあかね噺など落語を題材にした漫画やドラマも若干の燃料にはなりましたが、いまをときめく講談師 神田伯山先生ほどのスターは現れておりません。新弟子が激増するわけもなく。
放っといたら早晩滅び去る芸能の師に弟子入りしてくる、しかも無給の修行でなにをするにも師匠の許しを乞う生活。まずはカバン持ちで目配り気配りを学ぶところから。そんな窮屈な暮らしを女性が何年も何年も自分の意志で送るのは根性以外に秘めたる志もないかぎり無理ではあるまいか。
そんな根性の持主がスタート地点にたつときどんな顔をするのか。ゆきじさんの眼差しには今日びの若者とあきらかに違う光を感じます。曇りない地を這う覚悟すら。ほんとうに尊い情念だとおもうのは私だけでなく弟子をとった師匠たちもおなじかと。度胸たるや男性前座をも上回るはず。
そんな青い炎のような熱意に魅了され、お客様は熱心に高座へ足を運んでくれるようです。
本稿3人の噺家がどうか末永く、お客様に愛されますように。折しも上方では桂二葉さんという彗星が現れたことですし。夜明けはもうすぐと信じたい。
以上、毎々拙文のご精読をありがとうございます。
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