みなさま、こんにちは。北川です。
いよいよ寒くなってまいりました、年末まで油断せずしくじりなしでいきたいものです。
先日BS-NHKでフランスとポーランドのプロダクションが共同製作した、故スタンリー・キューブリックへのインタビュー番組を観ました。未亡人へもインタビューをしてます。
スタンリーとは。アメリカ人映画監督ですがニューヨークで生まれ成人したのち30代でイギリス郊外に住みつき、ハリウッドに終生近づかなかった稀有な業界人です。一躍名を知らしめたスパルタカスの制作で出資者カーク・ダグラスと悶着して以来、自身のプロダクションで資金を集めてイニシアチブとることを映画製作の信条としていました。
本日は、わたしの大好きな数々の映画を作り出した偉人のはなしをします。
彼の40年のキャリアで発表公開された映画は、たった13本しかありません。初期の自主資金調達した5本を除き、スポンサーがついて製作公開した映画はたった8本。遺作となったアイズ・ワイド・シャット公開直後に急死したため、当時企画脚本のみ保留されていた「A.I.」をプロダクションの了解を経てスピルバーグ作品と化したのは抜かしたカウントです。それと10年くらい塩漬けになり挙句陽の目を見なかったナポレオンの企画脚本もありました(クランクイン直前に、ウォータールーなる当時公開された類似テーマ映画が大コケし危険を察知したスポンサーが降りてしまったのです)。
アドレセンスにとり、とかく興味深いモチーフを脚本/作品化していったといえましょうが、わたしの横で番組を見ていた小5の倅が「時計じかけのオレンジ」を知っていたのに驚きました。。ただし、窃盗、惨たらしい暴力、レイプシーンが番組でフィーチャーされていたため、やむなく途中で見るのを止めました汗
ロリータ、アイズ・ワイド・シャット、フルメタル・ジャケット然り、あまり小学生には見せたくない映画ばかりだなあ、、とはじめて気付きました。いままで考えたこともなかった笑 自分が年取ったんだなあとおもう瞬間です。売春婦の説明にはこまります
なにしろ時計じかけのオレンジは社会的影響を鑑みたうえ、上映禁止を本国イギリスでキューブリック自身が認めていたくらいですから。
マエストロこと、キューブリックは取り直しのテイクが異常に多いこと。毎度の撮影監督ジョン・オルコットによる左右の画角シンメトリーを忠実に再現することで有名です。映画作家として細部にこだわる完全主義者、究極の審美眼の持ち主といえましょう。
シャイニング撮影におけるステディ・カム(カメラ機材)を一躍有名にさせた演出手法。トム・クルーズがミッションインポッシブルの半分のギャラでも駆けつける名誉オファー。
数々の逸話を遺して死んだわけですが、同業の映画監督たちに無視できないインパクトを与え続けてきました。
極めつけは「2001年宇宙の旅」が世界中に与えたスィートインパクト。こればかりはパクリ映画もそうはつくれなかった、、
この映画は宇宙船内のセット撮影が多いわけですがプロダクションデザイナーとして、じつは手塚治虫さんに最初オファーがきたそうです。当時虫プロ社長(倒産前)であった手塚さんは、従業員50人の生活保障しなくてはならない身ゆえ生憎無理です、と返事したところ。なんとキューブリックは家族50人を養うため出奔不可と信じ切っていたとか笑 そう彼は仕事・プライベートで来日したことはありませんでした。イギリスからほぼ出ない後半生。
吟味しつくしたプロット、撮影技術、エンドレスの編集作業。いずれも職人技ですが、さらに彼の映画の特徴として、サウンドトラックも自身で監修し世間の話題をさらう、見る者を唸らせるのが挙げられます。もっとも有名なのは黎明期シンセサイザー使用の名作楽曲 ウォルター・カルロスの「スイッチト・オン・バッハ」(時計仕掛けのオレンジ)とおもいますが、唯一サントラが発売されなかったシャイニングはSEとクラシックばかりであまり凝った選曲がなかったからでしょう。視覚効果とあわせ音響の与えるテンションのかけかたにも毎度趣向を凝らしていたのはよく知られています。なかでもローリング・ストーンズやクリス・アイザックなど、クラシックロックを重要なシーンに差し込むのはお手の物ですね。絶妙としか
以前にも書きましたが、よるの(帰路)東海道新幹線でよく「アイズワイドシャット」のサントラを聞いては寝過ごさないよう、酩酊しながらも緊張感を保つのが出張のマイルーティンでした。なつかしいです
最後に。ドキュメンタリーのインタビューでこんなモノローグがあります。
わたしは厳かで孤高の人物とおもわれているが、冗談もいうし、現場ではスタッフとたのしく働いてるんだよ。
イギリスに永らく住んでも皮肉ぽくならず、ポジティブなニューヨーカーのままだったようです。
聞かれたことへ丁寧に饒舌に説明を重ねるインタビューをみていると、表現者として映画製作をつうじ世の中へ伝えたいそのときどきのメッセージがあったんだなあと映画の伝道師をみるおもいでした。いつかボアハムウッドの墓前に参りたいものです。
ちなみにですが、今シーズンA/WのGUCCIは、キューブリック映画名作たち(を模した)セット撮影でニューコレクションを披露しています。必見。
毎々拙文ご精読をありがとうございました。
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