みなさま こんにちは。北川です。
35年前、オーディオメーカーKENWOOD(現在はビクターJVCに吸収合併)の社員のかた3名に2年くらいたいへんお世話になったことがあります。かなり以前にみなさん退職され、恩師のおひとりは白鴎大学教授、おひとりは如水会事務局勤務であるのですが、先日当時の高校生仲間と恩師と旧交をあたためる会があり、当時のサブカル高校生がなにを後世に遺したのか(現在なにしてるのか)少々こたえあわせをしました。
この断片的な書き方ではなんのことやら意味不明ですので、いったいKENWOODがなにをしてくれたのか整理しますと。
・当時、会員募集/審査して60名くらいの文化サークルをたちあげた。結果高校生がほぼ全数、大学生・専門学生・中学生が数名。ケンウッドのブランディング、宣伝、それらに係る調査等はいっさいおこなわない。
・日本国内在住の日本人のみがメンバーに。おおくは東京、南関東在住。北海道や中部・関西のかたも数名。
・毎週1回渋谷区松濤の会社保有クラブハウスが解放され、打合せや雑談など(バンドなどのリハも)4-5時間無料で使えた。
・3年ほどで、世話役発起人のIさんが退職されるため予算計上がままならず、サークルは解散。
・当時は毎週定例以外に、野球大会、海の家1日運営、演劇公演制作、短編映画製作、年数回の文集的なイラストや写真などの冊子発行に予算を投下してくれた。
冒頭にサブカル高校生と記しましたが、当時のサブカルとは現在とやや違いまして、もっとアンダーグラウンドな儲からない商業美術、音楽、映画、演劇、文芸などに興味を持つ根暗な友人ができにくい人たちで、インターネット、携帯電話のなかった当時このような交流の場がもてたのは貴重な試みであったとおもいます。
当時もわたしは神奈川在住で頻繁にクラブハウスへはいけず、たまにKENWOOD渋谷本社へ夕方たずねてIさんやSさんと雑談してノベルティをもらったりした記憶があります。つまりメセナというよりも、高校生が演劇や映画など好きなことをなにかしら形にするのにお金をだしてくれたという程度で、大掛かりな準備1年などの企画構想の持ち主は当時まだいませんでした。
それと宣伝部管掌事案として、世話役のみなさんが社会人として高校生の面倒見をおもしろがってくれたことが(今考えるとおそらく業務外対応)まだ余裕のあった日本の世相の象徴のようでなつかしく感じます。
会合にいらしたAさんはのちに劇場公開映画を2本監督しましたので(本業は汐留の広告代理店社員)唯一、世の中的に多少有名になったOB人物といえます。長編映画製作はサークル消滅数十年後の自助努力であり、KENWOODにより萌芽を助けてもらったような。
当時もおもっていたのですが、これらの企業支援がメーカーのマーケティング活動になんのフィードバックもなく(サークル内でアンケートすらなかった)予算や広告、商品提供の社内承認がなされていたのは80年台バブル背景の恩恵としかいえません。「ただ楽しく会話して個性をみとめあう、ともすれば周囲から浮いてしまう学生の自己肯定ができる機会になればなーと思ってたよ」とIさんは回顧してくれました。
Iさんは当時26歳くらいでメンバーより10歳くらい年長、なんでも話を首肯してくれた学校と無関係な貴重な社会人で、いまも連絡がとれるのはほんとうに有難いことです。教員になられてもう20年以上たつので、御本人は社会適合性がなく経済活動にむいてないだけとおっしゃいますが、若者のはなしを傾聴する、なんらか導きを示唆するのは当時とかわりないことになります。
35年経ち、参集した数名は世話役であったS女史含め幸いにみなさんお元気で(私が最年少でした)生きてる限り答え合わせが続くきもするのですが、そこは運動部と違い文化サークルならでは、成長を求めるマインドはありません。ましてやみな半世紀以上生きてる立派な成人です。
ただひとつ、個人的におもしろいな、不思議だなとおもうことが。
Aさんは映画監督・脚本家として長編作品を完成させましたが、当時わたしはこのサークルから将来名を成す人が何人かあらわれるのでないだろうか?となんとなくおもっていたところ、どっこい社会人として遍く能力を認められた人が他にいないのです。
Uさんという書記長のような類まれな記憶力の持ち主にきいたところ「やはり、当時のサブカル気質のひとはいまでいうコミュ障で協調性がなく、世の中や他者とうまく関係を築き維持するのが苦手だったからでしょう」と冷静にして明解なおこたえをいただきました。文化系の陥りがちな自意識過剰ならでは。後年わたしがスポーツなどに傾注していく、コミュニケーションによって可能なことが増える愉しみ(他者を巻込むダイナミズム)と相反する部分かなとおもいます。
大昔はわたしも個人の(仮に取るに足らない)主義主張でもひたすら尊重されるべきとおもっていましたが、その結果として個人はしあわせといえるのか?次第にいぶかしく思い始め、パーパスドリブンな考え方(逆算)にシフトしていきました。
もちろん、わたしがなんらかの表現活動を仕事としていないせいもあります。先般日テレ・小学館による漫画家個人の権利を侵害し約束を守らず死に至らしめた蛮行はとても許せません。
しかしながら、当時10代のはみだす個性の持ち主たちはやはりそのままで、Aさんがのちに仕事で編出すコミュニケーションデザインなど露知らずのまま歳を重ねたんだなあ、、と多感な情緒不安定さをわが身を振り返ってもなつかしくおもいだすのです。
有名になる、経済的に成功するのに、社交が欠かせないのはかなり当て嵌まるようだ。というオチでした。
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