謹賀新年 ことしもよろしくお願いいたします。
あけて令和6年元日からの天変地異、空港の人災、北九州火災とてんこ盛りのニュースにはおどろきました。不幸にも落命した方々のご冥福をお祈り申し上げます。
幸運なみなさまは、年末年始お寛ぎになれましたでしょうか。
わたくしは、ジョン・メイヤーのBNTチケットが手に入らず垂涎のインスタを眺めるばかりでしたが、自宅での映画三昧により溜飲はさがりました。ことしはモバイルジムでのパフォーマンス向上のため、食事・飲酒を適度に抑制するつもりでおります。この1週間もいわずもがな。おかげで体調もよろしがな。
本日は20年来愛してやまないTV映画「刑事コロンボ」にまつわるおはなしをいたします。先週みた映画のなかでも随一。2位はマリッジストーリー(アダムドライバー・スカヨハ)
隻眼の故ピーター・フォークさんが製作したコロンボのシリーズ1について今回は記します。約100分のプロットが14話まであります。コロンボはNBCテレビ放映用「映画」なのですが、テレビ番組とはおもえぬリッチな制作費、豪華キャスト(バート・ランカスター等ゲストスターがドリフのように毎回登場)それと、一躍名を轟かせた業界初の「ネタバレ」から始まるサスペンス・スリラーという画期的な企画でした。のちに「古畑任三郎」でパクられた(オマージュとも)最初に犯人と犯行内容がばらされる逆転の発想はいまだ斬新そのものです。
念のため、コロンボ警部の妙味、みどころを以下整理します。
・捜査における「聞き込み」のしつこさ。手を変え品を変え、たとえ相手が嫌がろうと目星をつけた容疑者へ仮説に基づいた犯行動機・手口究明の糸口をみいだす質問を毎日訪ねてはつづける。
・しつこさには、愛嬌と頭の良さも相手に感じさせる。根負けを誘う。
・有名な台詞「うちのカミさんがですね、、」とはなしをそらしつつ、不意打ちで相手の答えにくい質問をおこなう。
・声優小池朝雄さんの吹き替えがコロンボという役柄を見事に体現
本日はそのシリーズ1のなかでもっとも傑作と信じる神回「仮面の男 identity crisis」(1975年OA)の魅力について、拙い文章でおつたえしたいとおもいます。
ちなみに円盤でも入手可ですし、NHKBSでたびたび再放送しています。
このおはなしは、FBIよりさらに格下のロス警察(いわゆる田舎警察)の警部コロンボの捜査で容疑者として追い始めた男が「CIA(中央情報局)」のAGTであった、しかもそれを最後までコロンボは見抜けなかった(CIAによる巧妙な秘匿)という脚本の絶妙な上手さが肝です。老婆心ながらCIAとはアメリカの軍とは別個の諜報機関、スパイ組織です。CIA諜報部員のことをむかしはエージェントといっていたのですが、この映画にでてくるGeneral MGR.氏は「ふるい。いまはオペレーターとよぶんだよ」そうコロンボの発言を訂正するのでした。
この映画ではAGT(Operator)役でありコロンボ捜査事案の容疑者であるパトリック・マクグーハンの、落ち着き払ったアンタッチャブルである身分の演技がほんとうに上手いのですが、そのまた上司ド迫力の登場シーンがぞくぞくと鳥肌立ちます。かれこれ30回くらい見返してるのですが、何度見ても興奮は覚めません。
以下、そのシーケンス
コロンボが捜査で遊園地へ
☞定点撮影ブースで再度容疑者がうつる写真チェック
☞外のベンチでコーヒーとホットドッグを嗜む・ベンチ隣席のおじょうさんへ話しかける ☜ CIAオペレーターたちがコロンボを追ってキャデラックで到着
☞オペレーターたちがベンチにすり寄り、無言でIDを見せ同行を促す ☜ コロンボはCIAの接触に動揺
☞園内の退役機関車まで拉致され、操縦士席にあがれと命令される
☞三つ揃え、サングラスの部長がIDをみせ、これ以上の捜査はやめれ。と圧力をかける ☜ 捜査線上辻褄合わないコロンボの疑念が氷解
☞ようやくコロンボ解放、オペレーターあしばやに解散
とまあ10分くらいのシーケンスなのですが、子どもで賑わうのどかな遊園地内にCIAたちが現れ、対比的に一瞬でコロンボを恐怖のどん底へ叩き落す緊張感は筆舌に尽くせません。のんびりホットドッグをくっていたおじさんが、顔をこわばらせ無言になってしまう演技は極上です。
このニュアンスの妙とは あのふてぶてしいコロンボ警部が、公務員ならでは「CIA」の登場に際し、途端に恐縮しだすところ。中央権力の大きさがうかがえるところです。なにしろ、あの蛇のようにしつこいおじさんへいっさいの質問をゆるさず、最低限の警告だけで立ち去るオペレータたちの迫力は伊達ではありません。
CIA、モサド、mi6、GPUがたびたび映画のモチーフとなるのは、虚実ないまぜの裏歴史の証人だからなのは間違いないでしょう。いまやCIAもInstagramで職員リクルートをする時代となりましたが、007が2年おきに公開されるたび応募は増えるとか。ちなみにmi6採用基準にはあまり目立たぬ容姿とありまして、改めてボンドがフィクションであると思わせられます。
白眉がもうひとつ。マクグーハンのつかったトリックの隙をつく、コロンボによるアリバイ崩しの頭のよさたるや。
アリバイのスピーチ録音の時間が、スピーチ内容に含む《外電内容の公表時間》とずれているとは一字一句スピーチ内容を把握しないことにはまず不明なファクトチェックです。変装による殺人も見抜き、殺人以外にも居場所アリバイも見破る、されど、マクグーハンはまったく動じない。
なぜなら既に権力の一部であるから、、、囚われる理由がないのです。庭中を掘り返されてもまったく憤りをみせず、ようやくスピーチ録音テープ内容の矛盾を認めたところで、余裕綽綽。これがシリーズ唯一の「公権力」の犯罪(諜報活動)たるゆえんです。コロンボも悔しがらないという。
諜報活動とは、機密情報をわざわざ複数エージェントを介し互いにその存在、立場を判らない状態のままで情報網を巡らすのが常です。万が一どこかで末端が囚われてもなにも吐きようがない。なにも知らないのですから。ゆえに権力による内偵期間のながさは数ヶ月に渡るも、全貌を把握できないというわけ。
マクグーハンの組織内大物の演技が洒脱でなんどみても感嘆しかありません。そもそも住んでる家もワードローブも髪型も車もお洒落過ぎる。
そんなユニークな犯人満載のコロンボシリーズ1は不朽の名作、刑事ドラマ金字塔と申し上げたい次第。狡猾な犯人を上回るコロンボの頭の良さには感嘆しかありません。
今年も身の安全にはよくよく注意いたしましょう。 毎度拙文ご精読に深謝申し上げます。
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