みなさま、こんにちは。北川です。
以前に飲酒を愉しむ話をしました。
酒の御供に音楽をとはいいますが、以下極私的なはなしを書きます。
個人的に音楽を好むようになったのは中学からで、当時はクラシックロック云々より真新しい英国ニューウェーブの奇妙さ、物珍しさが気になって仕方なく、下火になりつつあったパンクのマイナーさ加減が、人とおなじことはしたくない性向に合致しマイナーなイギリスのバンドのレコードばかりをひたすら集めていました。日本のインディ盤も。当時はまだお酒を飲みたい欲はありません。お金もなかったし。
そんな暗い中学時代に出入りしていた渋谷新宿のレコ屋、愛聴盤などについて語らう東京育ちの同年代知人が近年現れたのですが、昨年末おでん屋でのささやかな忘年会はとても忘れ難い時間でした。おでんの出汁が大変好みであったことも拍車かかりすべてが楽しい記憶で、とにかく喋り続けたような。Sさんの暗い情熱、かつて愛好した音楽に注いだエネルギーはマイナー音楽愛好家同士は痛いほどよくわかるもので、二人でアドレセンスを回顧していると一瞬若返った錯覚に陥ります。
これはなかなか説明しづらいのですが、、昔はよかった!ではけしてないのです。
最初に夢中になった音楽が似通ってる場合に、会話から当時の身の周り社会風俗もおもいだされて二度と再現できない新鮮な記憶がよみがえるのです。レコ屋にいるときの浮足立つ感じ。SWITCHやア・ストア・ロボットへ洋服を買いに行ったときの記憶も。DEPTで毎週古着を吟味したり、自分が無知で14歳だったときの記憶が会話により鮮やかに再現されるのです。それが錯覚。
イギリスのNWバンドばかり聴いていると、ヘビーメタルやハードロック、産業ロックがあほらしくみえてきて、敵視から貶すようになります。ある日中学校で大ファンにむかってヴァンヘイレンをこきおろしたら殴り掛かられたこともあります。人の好きなものをけなすのは失礼でよくないからゆうたらアカン、そう20代後半になってようやく気付きました。産業ロックよりあほな若者でした。
自分の好きな音楽、愛聴レコードを繰り返し聴く時間。好きな音楽家の待ちに待った新譜をはじめて再生するとき。それを他者と共有するとき。さらにはライブで味わうとき。
得も言われぬ至福の時間を味わいます。
個人の耽溺は他人に理解せしめるものでなく、他人がその対象を揶揄するのもおかしなはなしです。人様の好き嫌いや生き方にいちゃもんをつけるなんぞ失礼ですし。
他方、昨今のSNSではいわなくていい個人の考えや批評が瞬く間に飛び交い、コンフリクト発生あっという間に炎上。人様の嗜好に個人のバイアスで殴り掛かる蛮行を、いいおとながなぜ自制できないのかとても不思議です。
しかしながら、数少ない同好の士がみつかると、互いにその孤独を共有する(傍で聞いても不明な)暗号のような会話をして、昔の興奮を再現できるのがいいところです。キュアーやエコバニ、マックザマウスや死んだアンディ・フレッチャーのことなど。なんと平和な世界
好きなものは個人で楽しめばよいわけですが、別位相の概念として、ポピュラー音楽そのもの(音源の品質)と演奏者の人格や人生は別物とする考え方、リンクするのは至極当然、二極の考え方があります。
音楽の品質と、その作家の人間性は関係あるのか、ないのか。音楽家の口からもたまに聞かれる話題です。
オリジナル楽曲を自然と多作できる能力は稀有であり、そもそも作曲とは自身の内面からにじみ出る、なんらかのモチーフから影響をうけ自分のフィルターを通過させうまれるものとおもいます。つまり好奇心とインプットがないと、持ちネタはなくなってしまいます。画家がおなじモチーフのバリエーションを無数につくるようには、商業音楽の場合に商品として成り立ちにくい。
他方、職業として曲を作る技術というものがあります。過去現在のインプットを組合せて、剽窃といわれないよう気を付けながら、お題に沿った曲を時間かけずに生み出す職人が古来音楽業界では欠かせません。ソロ歌手と曲の作家が別々の場合が多いのはご存じのとおりで、他方バンドやっている人たちは作家に頼らずリハに時間を費やすか、バンド内ソングライターがモチーフを用意し作曲を完成させていきます。
職業作家には注文の内容(条件)に合わせてサイズ等要望通り期限通りにつくる能力があります。人格や魂は一見無縁の作品。
ではそうでない、自分(たち)で演奏する曲を注文なしにつくる場合、私生活やメンタルはあまり創作に関係ない人、おおいにある人とにわかれます。
個人的には両方あるだろうとおもっています。酒や薬物によって身を持ち崩した音楽家も乱れた生活から曲を生み出したわけで、人間性を損ねたとしても佳い曲が生まれるのも、ポピュラー音楽の側面と考えています。半生を自滅していこうが傑作を残した人も過去多数いますし。
寡聞にして恥ずかしい限りですが、80年代デビューを果たしたイギリスの音楽家たちが後半生再浮上したはなしはあまり聞きません。それぞれ事情ちがうとおもいますが、デペッシュモードがいまだヨーロッパで絶大な人気を誇る以外に、活躍を続けるバンド・ミュージシャンはわずかです。もちろんこの40年でのビジネスサイドの様変わりもあります。
元セックスピストルズのスティーブ・ジョーンズがいまだに意気軒高、ニューバンドでヨーロッパツアーをお気楽そうにこなしているのをみると、あまり考えすぎる必要もなく、ロックってそんな大層なものでないのかと思わせられます。
こんな思案はそもそも意味がないと笑われそうですが、洋楽リスナーの面倒くささを記してみました。主観の好みと客観的な評価は相関しませんしね。ついつい雑念を広げてしまい恐縮です。
毎度拙文ご精読を有難うございます。
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